6月4日 日曜日 「死ぬまでにやって起きたい事」

 「あはははは!! 美味い美味い!!」

 「お、お母さん!! 何やっているのですか!?」

 「見て分からないの千夏? 見ての通り、ケンタッキーフライドチキンをバカ食いしているのよ」

 「な、なんて恐ろしい事を……いくらお母さんでもそんなに一気に食べればぶくぶくと太るのは確実っ!!
  今すぐ食べるのをやめるべきですよお母さん!! あとで絶対に後悔します!!」

 「ふふふ……いいのよ千夏。これでいいの」

 「そ、そんな……。お母さんは丸々と太って、民宿のお母さんみたいな感じになってしまうというのですか……?」

 「なによその例え」

 「どうしたの? なんでヤケ食いなんてしてるの? まさかその歳で失恋とかしたの?
  うっわー。ダッセー」

 「殴るわよ千夏。
  こうやって一杯食べているのはね、ただ食べたくなったから食べているのよ」

 「そんな行き当たりばったりな……。そんな事して本当にいいんですか?」

 「いいんだってば。千夏もね、今のうちにやりたい事をやりなさい。なんていったってもうすぐ死ぬか生きるかの最終決戦なのだから。
  ここで好きな事しなきゃもうできなくなっちゃいかもしれないわよ」

 「好きな事ねぇ……。お母さんの好きな事は、ケンタッキーフライドチキンをめいいっぱい食べる事だったんですか?」

 「まあね」

 子供かよ……。

 「千夏は? 千夏は何か死ぬ前にやりたい事とかないの?」

 「死ぬ前にって……まるで最終決戦に行ったら帰って来ないみたな」

 「もしもの話よ、もしもの。ねえ、何したい?」

 「う〜ん……もしもねえ。
  えーっと、コーンポタージュのスープのコーンを一切飲まないで見るとか?」

 「な、なんて贅沢を!? というか、あなたコーン嫌いなの?」

 「別にそういうわけじゃないけど」

 「嫌いでもないのに一切食べないだなんて!! 恐ろしいほどの贅沢ッぷりだわ!!」

 「でしょう? そんなに意味は無いと思うけど」

 「すごいわね……。王室もびっくりな贅沢さだわ。今の千夏、輝いているわよ」

 「そうですか?
  あとですね……ビックリマンシールさえも、チョコと一緒に捨てるとか」

 「すごいわ!! それじゃあ買った意味が無いじゃない!! 本当に千夏は贅沢の天才ね!!」

 いや、そこまで褒められても。





 6月5日 月曜日 「東京名物の遺産」

 「むむむむむ…………いざ書くとなると難しいですねえ。
  こんな事なら普段からもうちょっと考えておくべきでしたよ」

 「……雪女さん? 何やってるの?」

 「うっわあ千夏さん!? いつからそこに居たんですか!?」

 「『多分この人、半年後には忘れられているでしょうねえ』……の所から」

 「そんな! 日記に記載されている私のセリフのずっと前から!?
  というかなんて不親切なんですか千夏さん!! それじゃあ読者の人が分かりづらいでしょう!!」

 別にあなたが心配する事でもないでしょうに……。



 「それで、何してたの?」

 「ええっと、実は私……遺書を書いていたんです」

 「なんで? これから子犬を助けるためにトラックの前に飛び出す予定でもあるの?」

 「なんて勇敢な死亡予定ですか!!
  違いますよ! 最終決戦に向けての準備ですよ!!」

 「最終決戦に向けて遺書書くんですか……。なんて後ろ向きな。帰って来る気ゼロなの?」

 「私だって別に死ぬつもりはありませんよ!!
  でも……でもやっぱり、不安になるじゃないですか。
  そのもしもの時に備えて、こうやって遺書と遺言書を書いているんです」

 「遺書はまあ分かるけど……遺言書?
  雪女さんに遺産相続なんか出来る財産あるの? というか誰がそれを相続するの?」

 「失礼ですね千夏さん……。私にだって、遺す物や受け継いで欲しい人くらいいます!!」

 「へえ……てっきりお母さんとかに人権と一緒に財産まで没収されたのかと思ってた。
  で、遺す物ってなに?」

 「この東京タワーの模型です……」

 「ショボッ!! 雪女さんの財産ショボッ!!
  そんなお土産屋で売ってそうなものが財産なんですか!?
  あんた、今までの人生何してたんだよ!!!!」

 「そんな事言われても困ります。これは、私にとっては本当に大切な宝物なんですから」

 「一応なんでって聞いて良い?」

 「ええ。実はこれは……私のお母さんの形見なのです」

 「それを形見として遺さないといけなかった雪女さんのお母さんの人生が可哀想だ」

 「私が生まれた頃から病弱だった母は、私を育てるために身体を壊して……それで」

 「その東京タワーを形見として渡したんですか?」

 まあ簡単に予想する事は出来る話ですねえ。
 何故東京タワーの模型なのかは分からないけど。

 「いえ。病気によってふらついた足で転んでしまって、この東京タワーの模型に頭を突き刺してしまったんです。
  それはもう悲惨な最期で……」

 「それって形見っていうか仇じゃないか!!!!」

 そんなお土産品に殺された雪女さんのお母さんの人生が報われないよ。





 「ちなみに……その殺人東京タワーは誰に差し上げるんですか?」

 「そりゃあもちろん愛しの千夏さんに……」

 「いらねえ。全然いらねえ」

 ここまで遺されて迷惑な財産も珍しいわ。



 6月6日 火曜日 「嫌なポエム」


 「ふふふ……もう仕方ないなあお姉さまは。私はすっごく優しいですから、特別にお姉さまを許して差し上げます。
  もう……お礼の言葉なら要りませんってば。良いですから、この涙と鼻水を大開栓している顔を上げてください」

 「………なにひとりで小芝居してるのリーファちゃん?」

 「あ、お姉さま、ちょうど良かった。私のイメージトレーニングに付き合ってくださいよ」

 「イメージトレーニングって……どういう状況のだよ」

 「間一髪の所で死にかけた千夏お姉さまを助けた私に、お姉さまが泣きながら土下座して感謝する場面です」

 「それはイメトレじゃねえ!! ただの妄想だ!!」

 「そんな事無いですよ!! これだって立派なトレーニングです!!」

 「どこを鍛えるっていうんだそれで!!」

 「えーっと、愉悦心?」

 「捨ててしまえそんなチンケな心」

 そんなもの鍛えたってなんにもならないでしょうが。




 「それにさ、さっきの間一髪私が死にかけた時ってなんだよ。なんてレアケースを想定しているんだ」

 「そうですか? 千夏お姉さま、結構死にかける事が多いと思うけど」

 まあ確かに……常人の100倍は死にかけてるけど。

 「それにもうじき黒い星の民との最終決戦ですから、千夏お姉さまが死にそうになる確率もぐーんと上がると思うんですよね。
  つまり、チャンス」

 「他人が死にかける事をチャンスと呼ぶな」

 「だから私はこうやって千夏お姉さまを最大限に許して差し上げる練習をしているのでございます。
  おほほ、くるしゅうないわよ」

 「ただ妄想しているだけで人をここまで不愉快にさせるのはある意味で才能ですね。
  尊敬や羨望などまったく出来ぬ才能だが。
  それにしてもリーファちゃん……あなた、こんな事しかやる事無いのですか?
  もっと有意義な事をして最終決戦に備えなさいよ」

 「有意義な事ってなんですか?」

 「それはえっと…………自然の風景を見て、俳句を詠むとか」

 「千夏お姉さま、あまりにも適当な事言い過ぎでしょ」

 「うるさいですねえ。とにかく、なにか文化的な事をして有意義っぽく生きてみたらどうですか?
  今までそんな事一度もした事無いでしょう?」

 「そんな事ありませんよ千夏お姉さま。私だって乙女ですから、俳句や詩やポエムぐらい詠んだ事あります!!」

 「へえ、それはそれは……また痛い歴史をお持ちで」

 「あれ!? さっきまで文化的な活動をしろって言っていたのに!?」

 「まあ良いじゃないですか……。
  それより、その俳句や詩やポエムとやらを聞かせてくださいよ。少しばかり興味あります」

 「ちょっと恥ずかしいけど良いですよ。それじゃあ詠みますからね?」

 「どうぞどうぞ」

 「それでは……………『ふふふ……もう仕方ないなあお姉さまは。私はすっごく優しいですから、特別にお姉さまを許して差し上げます。
  もう……お礼の言葉なら要りませんってば。良いですから、この涙と鼻水を大開栓している顔を上げて……」

  「それってさっきのイメージトレーニングじゃん!! あれ、ポエムだったの!?」

 「イメージトレーニング版とポエム版では結末が違うんですよ」

 そんなものの結末なんかに興味ねーよ。



 6月7日 水曜日 「母娘の会話」

 「ふふふーんふーん♪」

 「……加奈ちゃんは本当に楽しそうに絵を書くねえ」

 「うん! カナ、いらなくなってポイされた紙の裏に絵を書くの大好き!!」

 「すまないねえ……。ウチがもっと裕福ならば、真っ白な自由帳を買ってあげられるのに」

 「泣かないでママ。これもみんな世間が悪いのよ。ママのせいでは無いわ」

 「その慰め方はどこで習ってきたんですか加奈ちゃん……」

 「テレビ」

 「そうか。テレビの奴ですか。後でお仕置きしてやらないと……」

 「ママってテレビさんにも怒れるの?」

 「ええ、もちろんですよ。なんていったってママは神様だからね。
  テレビなんて足下にも及びませんよ」

 「そっか……ママはフジテレビより強いんだ……」

 「まあね。別にテレビ局はフジテレビだけじゃ無いけど。
  それにしても加奈ちゃん……その絵、何描いてるの?」

 「カニ」

 「そうかあ。カニかあ。加奈ちゃんってさ、カニ好きなの?」

 「うん! ハサミあるし、強いから!! あと食べても美味しいし!!」

 「好きな理由に強さと味が共に出てくるなんて事、あまりないように思えますが……まあ良いでしょう。
  じゃあ、このカニに挟まれている青の物体は何?」

 「地球」

 「地球か。地球だったのか。予想を遥かに上回るスケールの大きさにびっくりですよ。
  すごいでかいなそのカニ」

 「んーっとね、100メートルぐらいあるの」

 「そうですか……それじゃあカニがでかいというよりは地球が小さい感じになりますねえ。
  いや、100メートルのカニも十分でかいけど」

 子供らしいスケール感だなあ……。




 「ねー、ママー。カナたちめーいぉうせいに行くってホントー?」

 「冥王星ね。ええ、本当みたいですよ」

 「ふーん……めーいぉうせいって、カニとかいっぱい居る?」

 「私は行ったこと無いんで……というか、人類の誰もが到達した事の無い地なので良く分かりませんが、カニは居ないと思いますよ」

 「カニが居なくてなんの星かね!?」

 「別にカニの有無が星である事の定義ではありませんから。というか加奈ちゃんにとってのカニって何なんだよ」

 「えーっと……神様?」

 「ママも神様だよ?」

 「じゃあカニはママ」

 そんな衝撃的な事言われても。




 6月8日 木曜日 「女神さんの趣味」

 「あ、やばい。藁がもう足りなくなっちゃった。
  近くのコンビニとかに売ってるかな……?」

 「わらなんか売ってるコンビニ、見たことねえよ。
  というか女神さん、いったいわらで何をしようとしているんだ?」

 「えっとですね……趣味のわら工作です♪」

 「これはまた地味な趣味ですね!? じじばば臭さが異臭問題に発展しそうですよ!?」

 「なんて失礼な! 千夏さんはわら工作の素晴らしさをまったく理解していませんね!?
  良いですか? わら工作の素晴らしい所はその小さな作業を積み重ねる事による精神安定と情緒教育が……」

 「で、わらでどんなの作ってるの? わらじとか?」

 「……思いっきり私の主張をぶったぎってくれるんですね」

 だって長くなりそうだし。

 「えっとですね、わらじは上級者向けなんですよ。だからまだ作れないんです」

 「へえ……わらじって上級者向けだったんですか」

 「ええ。素人が迂闊に手を出すと怪我しますよ。
  生爪が剥がされちゃうぐらい」

 「モノの喩えじゃなくて本当に怪我しちゃうんですか?
  何かの凶暴な生き物か。わらじは」

 「丹精に愛を込めて作った物には魂が宿ると言いますし、そう言った意味では生き物なのかもしれませんね……」

 「なんとなく綺麗にまとめようとしてるけどさ、生爪剥ぐんだろ?
  その生き物」

 「わらじが生爪を剥ぐのではありません。
  生爪が、わらじに剥がされるのです」

 同じじゃねえか。なにひとつ変わっていないじゃないか。




 「でさ、結局女神さんは何作ってたの?」

 「わら人形です」

 「暗っ!? 予想以上に陰湿思考だった!?
  見損なったぞ女神さん! いくらあなたでも、神様としての誇りだけは忘れないと思っていたのにっ!!」

 「暗い……? 何か勘違いしてませんか千夏さん?」

 「え? わら人形って、あの神社の神木に呪いの言葉を呟きながら釘を打ち込む奴じゃないの?」

 「あはははは!! 何を言っているのですか千夏さん!
  そんなもの、作るわけ無いじゃないですか」

 「な、なんだあ……そっかあ」

 私ったらちょっと早とちりしてしまったみたいですね。
 少し安心しましたよ。

 「わら人形っていうのは神木に五体を縛り付けて、呪いの言葉を呟きながらチェーンソーでバラバラにするストレス解消体操に使う人間大の人形の事です」

 「私の知らぬ間に牛の刻参りがレベルアップしていた!?」

 「これでですね、黒い星の民の奴を……」

 最終決戦に出向く前から闘う気ゼロなんですね。
 まったくあてにならねー…………。




 6月9日 金曜日 「お久しぶりの師匠」

 「よぉ千夏。久しぶりだな。元気してたか?」

 「えっとあなたは……その、えー……」

 「もしかして俺の事忘れたのか!? お前に武術を仕込んでやった唯一無二の師匠なんだぞ!?」

 「あ、ああ。師匠ね。本当にお久しぶり……」

 「お前本当に思い出したんだろうな? なんとなくフィーリングで話してるんじゃないだろうな?」

 「あれですよね。お好み焼きを焼く時に鉄のヘラを使わずに素手でやる師匠ですよね?」

 「勝手に人を豪快すぎる料理の作り手にするな」

 「いやあ、でも本当にお久しぶりですね。なんで近頃はこちらに来てくれなかったんですか?
  私はいつでも大歓迎で塩を投げつけてあげるのに」

 「その行動は決して歓迎のそれでは無いだろう。
  ふんっ。いつも千夏がそんなんだから、新しい弟子に構いっきりだったのさ」

 「新しい弟子って……もしかして大妖怪さんの事?」

 「ああそうとも!! あの子は千夏と違ってすごく良い子だぞー!!」

 「あんなに人に迷惑かけた妖怪と比べても悪い子の私っていったい何なんですか」

 「あの子はきちんと挨拶も出来るし」

 「私だって挨拶くらい出来ますよ」

 「こんにちはの代わりに塩を投げつける事を挨拶とは言わないっ!!」

 「でも相撲の中ならば挨拶みたいなもんです」

 「お前は地球上全てを土俵だと言い張るつもりか。
  そんな傍若無人な千夏とは違ってあの子はきちんと言われたトレーニングをこなすし」

 「今時腕立て伏せなんて古いんですよ。腕立て伏せばっかりやってるとバカになります」

 「どこの迷信だそれは。
  それになんと言ってもだな、千夏より可愛げがある!!」

 「可愛がっている理由としては余りにもストレートすぎやしませんかあなた!?」

 「だって可愛い方が良いに決まってんじゃんバーカ!! バーカ!!」

 「んだとこのロリコン!! 死ね!! とりあえず死ね!!」

 「死ねって言われて死ぬ人は居ませんー!」

 「でも神様の命令だから絶対ですー!」

 そんな不毛な言い争いを、私たちは小1時間程続けました。
 ええ、まったくもって暇人ですね。







 「……で、今日はなんで師匠はここに来たの?」

 「いや実はな、ちょっと困った事があって。それの相談に来たんだが……」

 「きちんと訪問の理由があるのなら、それをさっさと言ってくださいよ。
  どれだけ無駄な時間を私たちは過ごしていたんだ」

 「それに関しては千夏にも非があるだろう……。まあいいや、とにかく聞いてくれ」

 「その困った事ってなんなんですか? 師匠のことだから、どうせお金が無いとかそういうのでしょ?」

 「実は……」

 「実は?」

 「その先ほどまで話していた愛弟子が、突然自分のお父さんの所に行くっていって出て行って……」

 「大妖怪さんのお父さんって黒い星の民のことですよね? あっさりと裏切られてんじゃん!!
  情けないにも程がある!!」

 「お願いだ!! あの子を取り戻してくれ!!」

 「知るかそんなの!! とりあえず死ね!!」

 こんな人が私の師匠だなんて…………軽く絶望してしまいます。





 6月10日 土曜日 「少しだけ寂しいこと」

 「ふう……」

 「どうしたんだ千夏? そんなあからさまにため息なんてついちゃって」

 「ああ、ウサギさんですかあ……実はですね、ちょっといろいろありまして……」

 「何があったんだ? 話してみろよ」

 「えー? いいですけどー、ウサギさんに私の悩みが分かるかなぁ?」

 「うっわ。なんだかすげえムカつく言い方」

 「あのですね…………もうすぐ最終決戦じゃないですか?」

 「うん。確かにそうだね」

 「それでですね、みんなはそれに備えて今のうちにやっておきたい事をやっているんですよ。
  遺書書いたり呪いの人形作ってたり」

 「えらく後ろ向きなやりたい事だな」

 「でも気付いてしまったんです……。私には、私には別にこれと言ってやりたい事が無いって事に!!」

 「そうなのか……。まあそれは確かに寂しいかもしれないなぁ」

 「でしょう!? 私小学生ですよ!? 夢と希望が一杯詰まっている小学生なのですよ!?
  それなのに、何かやりたい事が何一つ浮かばないなんて!!」

 「まあそういうものかもしれないけどな。いざ死ぬかもしれない戦いの前にやりたい事が浮かばないって言うのは」

 「でも女神さんとか雪女さんとかは早々にわら人形とか遺書とか作ってたよ?」

 「それはそれで嫌だろ……。
  とにかく、別に焦る事なんて無いんじゃないかな?」

 「そうですかねぇ……。あ、そうだ。ちなみにウサギさんは何かやったりしました?
  やっておきたいけど出来なかった事」

 「俺は……溜まっていたビデオ録画の消化とか?」

 「何とも庶民的ですね……」

 「そういうものだろ。人間が最後にやる事なんて」

 元兎の癖して人間を語られるとは……。
 まあ、実際そういうモノなんでしょうねぇ。




 「うーん。でもやっぱり何かしないともったいないですよねえ」

 「もったいないという表現があっているのかどうかは知らんけど」

 「何かないですかねえ。面白いこと。お金を使う以外で」

 「お金は使っちゃダメなのか? もしかしたらお金なんて意味が無くなってしまうかもしれないのに」

 「でももし普通に生き残っちゃったら、すっごくその後が大変になるじゃないですか。
  そういう事考えたら怖くて使えませんよ」

 「現実的だなぁ……」

 世界が滅ぶの免れても、家計が滅んじゃ意味が無いじゃないですか。








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