10月1日 日曜日 「切り株の部屋」


 「よし……ここで待っていれば、きっとウサギの野郎の影は切り株に躓いて頭を打つはずだ。
  そうなったらチャンスと見て、一気に畳み掛ける。そういう事でひとつよろしくお願いします」

 「お願いします」

 「いつの間にか仲良くなってるんじゃないですよ大妖怪さんに玲ちゃん……。
  というかね、ホントちょっといいですかね?」

 「どうしたの千夏ちゃん? もしかしてこの作戦が信用ならないとか?」

 「うん。めっさ信用ならない。まあそれは別に良いよ。切り株だし。
  でもね、私が気になっているのは…………この部屋ってなんなの?」

 「えっと……なんなんだろうね?」

 玲ちゃんも困った顔をしています。そりゃそうでしょう。今私たちが居る部屋、あまりにもヘンテコすぎるんだから。
 えっと、簡単に説明しますとですね……切り株がいっぱい床に生えてます。すっげえ気持ち悪い。


 「ねえねえ大妖怪さん。この部屋ってさ、なんなの?」

 「なんなのって……切り株部屋だよ」

 「そんな当然のように切り替えされても。なんの目的のために使用する部屋なんだよ。
  あれか? 切り株の年輪を見て年月の過ぎ行く様をひしひしと感じるためにある部屋なのか?」

 「いや、兎が躓くのをひたすら待つための部屋だ」

 「大丈夫かこの部屋作った奴は!?」

 病んでいるとしか思えない。



 「っていうかさ、私、先を見越して逃げておいていいかな? 全然勝てる気がしないんだけど」

 「大丈夫だってば。案ずるより産むが安しだって」

 「いや、だからそう言われてもですね……」

 「あっ! 影が入ってきましたよ!!」

 玲ちゃんの言うとおり、部屋のドアをぶち破ってウサギさんの影が中に入ってきました。
本当にアクティブな影ですねえ……。そのまま撲殺しかねないです。
 マジこええ。

 「やーい! こっちだよーだ!!」

 「!!」

 「あ! なにしてるんですか大妖怪さん!!」

 なんと、大妖怪さんが立ち上がって自分たちの存在を影に教えやがりました。
 おそらくこっちに走ってもらってコケて欲しいんでしょうけど、はっきり言って迷惑です。


 「バカバカバカ!! なにを……」

 「よし! コケた!!」

 「え!?」

 なんと、ウサギさんの影が確かによろめいてました。やっぱり影でもこの部屋は歩きづらいのですか。

 「よし! 突撃ー!!」

 「ちょ、ちょっとー!!」

 ウサギさんの影に突撃していく大妖怪さんと玲ちゃん。
 えっと、なんていうか…………頑張ってね、おふたりさん。
 私、草葉の影で見守っているから。


 10月2日 月曜日 「影の倒し方」


 「とりゃー! とりゃー!!」

 「えーい! えーい!!」

 「……」

 「死ね! 死ね死ね死ね!!」

 「おうりゃあ!! このやろー! このやろうー!!」

 「…………」

 私の目の前で、それはそれはもうひどいリンチが行われています。
 きちんと説明しますと、ちょっとこけて隙を見せた影の暗殺者を、大妖怪さんと玲ちゃんがボッコボコにしているのです。
 なんという残虐さなのでしょうか。あまり、知り合いだと思われたくありません。

 「ちょっとお前! なに自分だけ離れた所で見ているんだ!! こっちきて手伝えよ!!」

 「いや……だってなんだかおふたりとも楽しそうですし。邪魔しちゃ悪いかなって。大妖怪さんの楽しみを取っちゃ悪いかなって」

 「アホか! 楽しいわけないだろうが!!」

 「でもほら……昨日からずっと殴ったり蹴ったりしているでしょう? さぞかしサドなお方たちなのだと拝見し……。
  あ、別に私、SだからMだからとかで偏見するような人ではないですから。だから、安心してください」

 「だからそうじゃなくて……」

 「嘘は言わないでいいですよ。大妖怪さんのその返り血を浴びた嬉しそうな顔が、何よりの証拠です。
  さすがだねホント。やっぱり悪の手先だけありますよ」

 「お前私をバカにしてるだろ?」

 そういうわけじゃないですが。




 「とにかくお前も手伝え!! 今はそんな事議論している場合じゃないんだ!!」

 「だからですね、私にはそういく趣味は無い……」

 「違うんだっての!! この影、死なないんだよ!! いくら殴ったり蹴ったりしたって、すぐに傷が治っていくんだ!!」

 「え……? 死なない?」

 「くそう! 不死身の兵隊だという噂は本当だったか!! このままじゃ、逆にこっちが返り討ちにあう!!
  どうすれば……」

 「えーっとさ、じゃあこの塩を傷に塗りこんでみるとか」

 「そんな事で治りが遅くなったりなんかしない!! 常識でもの考えろ!!」

 妖怪に常識とか言われてしまった。

 「とにかく早くなんとかしないと今まで私たちが与えてきたダメージも意味の無いものに……」

 「うーんと、うーんと、わかった! いい方法を考えましたよ!!
  ようはダメージがあろうがなかろうが機能停止にしちゃえばいいんでしょう?
  だから、あの影をコンクリに詰めて、海に沈めちゃえばいいんですよ!!」

 「…………」

 「……とかね。例えば。例えばの話ですけど」

 冷静に考えてみれば影をコンクリに詰めるなんて聞いた事無いですね。
 えっと、なんかごめんなさい。ちょっとした気の迷いです。



 「……いいねそれ! よし! さっそくコンクリに詰めよう!!

 「え? うん。ええ? いいんですかその作戦で!?」

 もうちょっと常識でもの考えて欲しいのですが。




 10月3日 水曜日 「海に捨てたモノ。出てきたモノ」


 「いやあ、大変でしたね大妖怪さん、玲ちゃん」

 「そうだね、大変だったね千夏ちゃん」

 「ええ、本当です。なんて言ったって影をコンクリに詰めたんだからね。
  そりゃあ疲れて当然ですよ」

 「うんうん」

 「……でもさ、ちょっと聞きたいことがあるんですけど良いですかね?
  私たち、どうやって影なんかをコンクリに詰めたんだっけ?
  そんな不思議技術、私たちにあったっけ?」

 「う〜ん……あまりにも一生懸命だったから覚えてないなあ。なんかこう、味噌とか使ってた気がする」

 「味噌!? なんで味噌!?」

 「隠し味とかそういう感じじゃないの?」

 コンクリ詰めに隠し味が必要だなんて初めて聞きましたよ。
 ヤクザの方々もそういう事やったりしているのでしょうか。意外と家庭的なんですね。



 「さて。そんなどうでもいい事を話している場合でもありません。
  さっさとこのコンクリを捨てに行きましょう」

 「そうだね。なんだかこのままここに置いていても怖いしね。少しづつ動いているし」

 ま、まだ中で生きているんですか……。こ、怖いにも程があります。

 「じゃあ海の部屋に捨てに行こう。あそこなら深度もあるし、もう二度と浮いてこれないぞ」

 「大妖怪さん……。その海の部屋って、やっぱり部屋の中に海がある部屋だったりするんですか?」

 「その通りだけど、何か問題が?」

 「今の私たちには願っても無い部屋ではありますが…………なんでそんな物があるの?
  一応聞いておきますよ。通例として」

 「サンマ漁を城内で出来るように」

 「サンマのためだけに海をお城に!?」

 「ついでに大根部屋もある。もちろんこれは大根おろしを作るために」

 「どれだけサンマの塩焼きが好きなんですか。黒い星の民の奴は」

 まあどうでもいいです。とにかく早く捨てにいきましょう。


***


 「ふう……ようやく着いた。ここが海部屋ですか」

 「潮の香りが気持ちいいねえ千夏ちゃん」

 「そうですねえ。しかし、本当に海なんですね。白い海岸線がまぶしいよ」

 「よし! じゃあさっそくこのコンクリを深い所に持っていこうか?」

 「はぁ……まだ運ばないといけないんですか。疲れてもう動けないよ」

 「じゃあ私に任せな。人間離れしたパワーで、沖のほうにぶん投げてやるから」

 「おー。さすが人外。頼れますね。じゃあお願いします」

 大妖怪さんはなんと片手でコンクリートの塊を担ぎ上げました。
 すごい力持ちですねえ。こんな事ならコイツに全部持たせておくべきだった。

 「どおりゃあああああ!!!」

 勢いよく大妖怪さんがコンクリを海の放り投げます。
 ちっとも勢いを殺される事無く沖の方まで飛んで行き、そして大きな水柱をあげて海に着水しました。
 ……本当にすごいですね。



 「よし。これで全部解決です! さあ帰ろう! こんな城からさっさと出よう!!」

 『お待ちなさい』

 「え!? こ、声!? 頭の中に声が!?」

 突然聞こえた声に驚いている私たちをあざ笑うかのように、さらにもっと驚くべき現象が起こりました。
 なんと、海の水面が光りだしたのです!!

 「い、いったい何が……!?」

 『あなたが落としたのはこの金のコンクリですか? それとも……』

 「って、えー!? えええー!!?? 女神さん!? 女神さんが出てきた!?」

 あら。お久しぶりです。
 っていうかここでなにやってんの。




 10月4日 木曜日 「お久しぶりの女神さん」


 「あなたが落としたのは金のコンクリートですか? それとも銀のコンクリートですか?」

 「えっとあの……女神さん?」

 「それともこの普通のなんだかモゾモゾしているコンクリートですか?」

 モゾモゾしているコンクリートなんて普通じゃねえだろ。
 多分、それ私たちが詰めた影が入っている所為だし。

 「あのですね女神さん……どうしてあなたがこんな場所に? 他の家族たちはどうしたんですか?
  もしかして女神さんだけ逃げ出せたの?」

 「あなたたちが落としたのは金のコンクリートですか? それとも……」

 「おい! RPGのモブキャラみたいに同じセリフばかり繰り返しているんじゃありませんよ!!」

 「金ですかー!? 銀ですかー!? それとも普通のコンクリートですかー!?
  さっさと選んでくださいー!!」

 「なんで逆ギレ!? おうおうおう! 上等だコノヤロウ!! そういえばムカつく奴だったなお前!
  しばらく会わなかったから忘れていましたよ!!」

 「ち、千夏ちゃん! ちょっと落ち着いて!!」

 「むぐぐぐぐ……止めるな玲ちゃん! こいつは、こいつだけはここでぶん殴る必要があると思う!!」

 この怒りの衝動はどうも抑えられそうにありませんよ。

 「とにかくさ、この人の気が済むようにさっさと選んであげたらいいんじゃないかな?
  そうすれば角が立たないと思うけど」

 「くそう……なんでこんな所まできて女神さんのお遊びに付き合わなくちゃいけないんですか。
  腹立って仕方ないわ……」

 「まあまあ抑えて……」

 「ではもう一度聞きます。あなたが落としたのは金のコンクートですか? 銀のコンクリートですか?
  普通のコンクリートですか?」

 「えっと、私が落としたのは普通の……」

 「ちょっと待った千夏ちゃん!」

 「え? ど、どうしたの玲ちゃん?」

 「ここで本当の事言っちゃうとさ、金のコンクリートと銀のコンクリートと一緒に、また影入りのコンクリート貰っちゃうんじゃない?」

 「……あ。そっか。そうだね。また影貰っても仕方ないもんね。
  ここは嘘をつくべきなのか。なるほど」

 おお。的確な意見ありがとうですよ玲ちゃん。おかげでいらないものを貰わずに済みます。

 「えっとですね、じゃあ金のコンクリートでお願いします」

 「ウソツキは、ダメヨー!!」

 「いや、そう言われても困る……って何ですか女神さん! どこから溢れてくるのか分からないパワーで普通のコンクリートを持ち上げちゃって!!
  まさかそれをこっちに投げ……」

 「不法投棄もダメヨー!!」

 「きゃあああ!! 逃げろー!!」

 どこに切れたのか分かりませんが、カタコトで影入りコンクリートを投げつける女神さん。
 頭に何かが湧いているとしか思えません。というかマジで殺すぞクソ女神。



 「ど、どうしよっか千夏ちゃん?」

 「撲殺で。撲殺の方向でいこう」

 「い、いや……どう殺すかじゃなくて、このコンクリートをどうしよっかって話なんだけど……」

 とにかく、撲殺の方向で。




 10月5日 金曜日 「女神さん最後の仕事、らしい」


 「ど、どうするつもりなの千夏ちゃん? そのコンクリートの塊を?」

 「決まってるじゃないですか。もう一度この海に投げ込むんです。
  そして女神さんが出てきた所を……めきゃですよ」

 「な、なに? その物騒な擬音は?」

 「もちろん女神さんの頭蓋骨が陥没した音です」

 「殺る気満々だね千夏ちゃん!? そんなに昨日の事頭きたの!?」

 「頭きたに決まってるじゃないですか。他の家族たちが今どうなっているのか分からないのに、女神さんだけこんな所で油売ってるなんて。
  なおかつ私たちの邪魔までしてくれるなんて。もうここまでされたら殺しても罪にならないと思う」

 「立派な罪だよ千夏ちゃん! 憎しみのあまり、変な論理が構築されちゃってる!!」

 なるほど……。人が人を殺す時は、それがさも当然のように思えてしまっているのですね。
 これはすごく恐ろしい事だと思います。しかし、止めようがありません。

 「とうりゃあああ!! 出てこい女神さん!!」

 「ああっ、千夏ちゃん!」

 私は持てる力をすべて出し切ってコンクリートの塊を海へと放り投げました。
 するとすぐに海面が光り、女神さんが姿を表します。

 「あなたが落としたのはこの金のコンクリートですか?
  それとも銀の……」

 「覚悟ぉ!!」

 「ち、千夏ちゃん! いきなり攻撃!? ちょっとそれ酷い……」

 「なに甘い事言ってるんですか玲ちゃん! 殺せる時に殺さないとどうなるか!!」

 「本当にどういう人生歩んできたの千夏ちゃん?」

 ……どういう人生歩んできたんだろうね。私。



 「金のコンクリートと銀のコンクリート。もしくは普通のコンクリート、どっち!?」

 「まだ言っているんですか女神さん! そういう事やってる場合じゃないっての!!
  分かっているでしょうがあなたにも!!」

 「どっち!? どっち!? ドッチノ料理ショー!?」

 「言い回しが死ぬほどムカつく。やっぱり殺します」

 ここまで人の殺意を引き出す才能を持っていたとは思いませんでしたよ女神さん。
 もっとマシな才能でも与えてもらえばよかったのにね。

 「そうじゃなくて! どっちか早く選んでちょうだい!!」

 「だから! この期に及んでまだそんな遊びを……」

 「いいからっ! いいから選んでよ千夏さん!! 私の、私の最後の仕事だからっ!!」

 「え……? 女神さん?」

 さ、最後の仕事ってどういうわけ……。

 「お願い……っ、せめて、最後に女神らしい事させて……」

 「う、う〜ん……なんだかよく分からないですけど、分かりましたよ。
  やればいいんでしょ? その後に殺せばいいんでしょ?」

 「いや、別に殺さなくても……」

 「えーっと、じゃあですね、私が落としたのは普通のコンクリートです。金でも銀でもありません。
  よし! 死ね!!」

 「良くぞ本当の事を言ってくれました千夏さん! 正直者のあなたには、こちらを差し上げます!!」

 「う、うわ!? なに!?」

 急に女神さんの持っていたコンクリートが輝きだしました。
 もしかして目潰しか!? くそ、こしゃくな!!







 「あいたたた…………。あれ、なんで俺ここに居るんだ……?」

 「………………え? も、もしかして……ウサギ、さん?」

 「正直者の千夏さんには、ウサギさんの影入りコンクリートの変わりに、本物のウサギさんとコンクリートをプレゼントです♪」

 「う、うわーい!? とりあえず喜んでおくべきなのこの展開は!?」

 どうでもいいけど、コンクリートはいらねえ。




 10月6日 土曜日 「ちょっとは役に立つ女神さん」


 「ウ、ウサギさん! お久しぶりです!!」

 「千夏……? お前、どうしてこんな所に……」

 「えーと、なんというかいろいろありまして、お母さんと一緒に冥王星まで来たんです。
  そしたらなぜかウサギさんの影と戦うことになったりしちゃいまして……」

 「なるほど……そういうことか」

 「それにしてもウサギさん! 他の人たちはどうしちゃったんですか!? っていうかウサギさんは今までどうなっていたんですか!?」

 「なんというか上手く説明できないんだけど……とにかく、俺たちは黒服の持ってきた宇宙船でこの冥王星に着いたんだよ。
  途中で千夏のお母さんを置いていった事に気付いたけども、発進した直後だったからどうにも出来なかった」

 そういえば置いていかれたんですよねあの人。ホントバカだ。
 ……あ。そういえば黒服! アイツ、たしかスパイだったんですよね!! 思い出したら腹立ってきた。

 「それで黒い星の民の城を見つけて、俺たちは乗り込んだわけなんだが……そこで返り討ちにあって、そして、意識を失ってしまったんだ。
  それからのことは何一つ覚えてない。すまない」

 「そうだったんですか。何も覚えてない……。
  じゃあ今度は女神さんに質問ですよ! あなたは何故無事で、こんな所で油を売っているのですか!?」

 「このお城に入った始めのうちに、逃げ出したからに決まっているじゃないですか!!」

 なんて情けない事を堂々と言ってのけてくれるのでしょうかこの人は。
 むしろ誇りすら感じる程の威圧感だ。負け犬の。

 「でもですね、感謝される事はあっても罵倒されるような事はしていないと思います! 影となったウサギさんを元にもどしたのですから!!
  そして、殺されるような事もなにもしていないはず!!」

 「ああ、それはごめんね。ちょっと頭に血が上っていて。
  っていうかさ、あれはなんなの? なんで女神さんが影を本物に……っていうかあの影は一体なんなのさ!?」

 「あの影はこのお城の侵入者のなれの果てなのですよ。私はその影を神秘の力で元に戻すことが出来るのです」

 「女神さんに神秘の力ってあったんだ?」

 「ですからですね、これからもこのお城の中に居る影を私の方に持ってくると、元の人間に戻してさしあげる事が出来るのですよ!!」

 「無視したか」

 「ですから千夏さん、ウサギさん、頑張ってください!! あなたたちの力で、家族全員を元に戻しましょう!!」

 「ふーん…………ってえー!? なにそれ!? 私たち、影集めなきゃいけないの!? あんなに怖いのに!?」

 「そうしないと家族全員が集まらないじゃないですか……頑張ってくださいよ」

 「嫌だね! 面倒だ! 面倒だ!!」

 「お、おい千夏……。他の家族がどうなっていいのかよ」

 「だって他の家族って言ったらあれでしょ!? 雪女さんと黒服と……あともしかしたらお母さんでしょ!?
  いらねえなあ! まったくいらない!! このまま地球に帰ろうか!?」

 「酷い言いようだな……。だけどさ、加奈ちゃんの事忘れてないか?」

 「え……? もしかして加奈ちゃんも影に?」

 「おそらく。おれたちと一緒に居たからな」

 「な、なんでその事を早く言ってくれないんですかウサギさん!!」

 これじゃあもう戦うしかないじゃないですかあ…………。









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