12月12日 日曜日 「謎の食べ物」
「美味しかったですよねぇ、アレ」
「うんうん。今まで食べたことの無かった食感が、感動物だったよ」
ダイニングでお茶をすすりながら、雪女とリーファちゃんが何やら話しこんでいます。
なんて言うか珍しい組み合わせですね。
「え? え? 何の話ですか?」
「あ、千夏さん。
実はですね、今日リーファさんと食事の買出しに行ったらですね、アレの試食をやってまして……」
「アレ? アレってなんですか?」
「それでついつい食べすぎちゃって……ねぇ?」
「アレなら何杯でも食べられるよ、ホントに」
な、何なんでしょうかね? アレって。
「何て名前なんですか、それって?」
「う〜んと……なんて言いましたっけ?」
「確か頭文字が『ソ』だったような……」
そ? ソバとか?
「パリパリとした食感が美味しいんですよね」
パリパリ……という事はソバではありませんね。
「そうだよね。でも中のふわっとした感じも私は好きだけど」
パリパリでふわっ? なんだかよく分からないけど美味しそうな感じはします。
「あ、味はどんな感じですか?」
「わさび醤油味がベーシックみたいですよ」
和風なの!?
「私はカカオ味が好きだったけど」
カカオ!? わさび醤油とカカオ!?
しかもココア味じゃなくて、カカオ味なんですか!?
……全然理解できません。
「形とかも聞いていいですか?」
「ブーメランみたいな形状でしたよ」
何だか質問していくたびに謎が深まっていく気がします。
「……色は?」
「深緑でした」
美味しそうじゃないよ!! 深緑色のブーメランなんて、全然美味しそうじゃないよ!!
「よくそんな物食べましたね……」
「確かに見た目は変なんですけど、匂いがとても良くて、思わず足を止めてしまったんですよね」
「うんうん。お姉さまもその場にいたら、アレに惹かれるはずだよ」
うう……なんだか仲間はずれにされてしまったようで、寂しいです。
「でも食べすぎちゃいましたね。リーファさん」
「そうだね。食べ過ぎは身体に良くないって言ってたのにね」
そんなに食べたんですか……。試食を薦めた人もうざがってたんじゃないですか?
「食べ過ぎは身体に毒って言ってたですよね」
「うん。っていうか、毒そのものって言ってたからね」
「毒が入ってるんですか!? アレって!?」
本当に何を食べてきたんですか?
12月13日 月曜日 「家の中の電車」
「千夏の部屋発〜春歌の寝室着、各駅停車はまもなくの発車です」
「……」
なんで私の部屋の押し入れが、妙ちくりんな駅に止まる電車のホームになっているんですかね?
私、何か悪いことしましたか?
『ジリリリリリ!!』
えっと、もうすぐ発車してしまうらしいので、とりあえず乗ってみます。
私が乗り込むと電車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出します。
本当に動いちゃってますよ。この電車。
さっきのアナウンスではお母さんの部屋が終着駅らしいですが、他にはどんな所に止まるんでしょうかね?
『次は物置〜物置〜。
入り込んだら二度と出られない物置〜』
人んちの物置に勝手に変な伝説を作らないでください。
まあ確かに迷うくらい物がごっちゃごちゃに積まれているんですけど。
物置駅(らしい)所に止まりましたが、私は降りませんでした。
もうちょっとこの電車の止まる駅を調べてみたいですし。
『次は台所〜台所〜。
鍋が一つしかない台所〜』
え!? そうだったんですか!?
よくそんな環境で料理をしてましたねお母さん……。
っていうか鍋くらいいくつか買ってくださいよ。主婦なら。
しかしこれでこの電車が止まる駅は私の家の中ということがはっきりしましたね。
さすがに自分ちとどっか関係の無い場所がつながっていたら気分のいいものでは無いですもん。
「次は地獄〜地獄〜」
外の世界とつながっちゃってた!?
しかもよりにもよって地獄ですか!?
……いや、待ってくださいよ?
もしかしたら地獄は私たちの家の中にあったんじゃ……!?
「地獄〜地獄〜」
ああ……とうとう地獄駅に止まってしまいました。
すごく降りたいんですけど。
地獄、見てみたいし。
私は勇気を振り絞って……というか好奇心に負けて、地獄駅に降り立ちました。
ホームを出て、改札をくぐりぬけ、そしてついに地獄への扉を見つけました。
この先に地獄が……。
ドアを開けると、そこは私たちの家から一歩踏み出した場所でした。
……この世は地獄っていうこと?
12月14日 火曜日 「温水プール」
寒さにやられ、ブルブルと震えている私に、ウサギさんが話しかけてきました。
「千夏〜、温水プールにでも行こっか?」
「温水プールですか!?
いいですねそれ」
温かい水に入って体を動かせば、一時であっても寒さを忘れることが出来るはずですしね。
「あれ? でも近くに温水プールなんて立派な施設ありましたっけ?」
「この家の地下にあるやつを使うんだよ」
「……私たちの家って、プール付きだったの?」
地下シェルター付きだったのは知ってたんですけど。
「なんでもシェルター生活が長引くことになったら運動不足になって大変。
ということで造ったと千夏のお母さんが……」
なんて贅沢な施設を造っちゃったりしてるんですか……。
まあせっかくなんで利用させてもらいます。
さて、無事地下シェルター内の温水プールにたどり着いた私とウサギさん。
途中の道のりで、相変わらず放し飼いされてる虎にじゃれつかれたり(噛まれたり)しましたが、
そんなの全然苦になりません!!
なんていったって、温水プールのためなんですもんね!!
「さあて、さっそく泳ぐか?」
「そうですねじゃんじゃん泳いじゃいましょ……あ!?」
なんてことでしょうか。
肝心の水着を持ってくるのを忘れてしまいました……。
「千夏……もしかして、水着忘れたのか?」
「はい……ついうっかり」
「もう一回戻る?」
「虎に噛まれるのは……イヤですね」
「それじゃどうするんだ?」
「こうなったらこのまま泳いで……」
「泳いでる時はいいかもしれないけど、
帰る時はすごく寒くなるんじゃないか?」
「うっ……」
それは勘弁したいです……。
「じゃ、じゃあ全部脱いで裸で泳いじゃいうとか?」
「……本気?」
「無理です。ごめんなさい」
ウサギさんに裸を見られるなんて、恥ずかしくてたまらないですもん。
「ううっ、やっぱり一度戻るしか……」
「あなたが求めているのは、この金の水着ですか?」
「え!?」
聞き覚えのある声が聞こえたと思ったら、突然温水プールが光り輝きます。
そんな恐ろしいぐらい豪華な演出で出てきたのは……
「温水プールの女神で〜す!!」
うわっ、久しぶりに会ったからかすごいテンションですよ。
「さあ千夏ちゃん! どっち? どっちを選ぶの?」
「ちょっと落ち着いてくださいよ。
まだ二択目を言ってないですよ」
興奮しすぎですよ。
「金の水着と銀の水着。
さあどっち!?」
本当にむやみやたらにハイテンションですね。
そんなに出番が待ちどおしかったんですか。
「それにしても金と銀の水着しかないんですか?
どっちもセンス悪すぎなんですけど」
「う〜ん……あと私が持ってるのは水に濡れると溶ける水着ぐらいだけど?」
なに目的だ。
その水着の存在理由は。
「じゃあ金の水着でいいです」
「着るとかぶれるけどいい?」
「それって本当に金なんですか!?」
粗悪品なメッキ臭がプンプンするんですけど?
結局、一度部屋まで水着を取りに戻りました。
一体なんだったんですか。
女神とじゃれてた時間は。
12月15日 水曜日 「お母さんとおばあちゃん」
学校から帰ってきて制服を脱いでいると、おばあちゃんが話しかけてきました。
「千夏ちゃん。どこかに美味しい物でも食べに行かない?」
「いいですよ〜。
なに食べに行くんですか?」
「ん〜、そうねえ……お寿司とかどう?」
「本当に!?
すごい嬉しいです!!」
お寿司なんて小学校の入学祝い以来食べてない気がします。
「それじゃ早速出かけ……」
「ちょっと待ったー!!」
私とおばあちゃんのぶらりお寿司食べ放題の旅を邪魔する影が現れました。
……まあ言ってしまえばお母さんなんですけど。
「どうしたの春歌ちゃん?」
「お母さん!
夕ご飯の前に千夏に物を食べさせないでください!!
お腹いっぱいになってご飯を残しちゃうでしょ!?」
うわぁ……お母さんがまともな母親らしいこと言ってる。
「じゃあ今日は私たちは夕ご飯抜きでいいから」
「そういう問題じゃないでしょ!!」
今日はお母さんは頑張りますねえ。
一歩も退きません。
「家族みんなで一緒にご飯を食べることにこそ意味があるんです!!
温かいご飯とゆったりとした家族との会話。
これこそが胃袋を満たすだけでは無い、正しい食事の姿であって……」
なんとなくもっともらしい説法で、おばあちゃんを丸め込むつもりらしいです。
なんだか必死ですね、お母さん。
「春歌ちゃん……ごめんなさいね。
私、ちゃんと理解したわ」
「お、おばあちゃん!?」
そんな!! もしかしてお寿司はまた今度ってことですか!?
お寿司受け入れ体勢ばっちしの私のお腹はどうなるの!?
「お母さん……分かってくれたのね?」
「ええ、春歌ちゃん。
つまり、千夏ちゃんばかり可愛がられて寂しいのね?」
「違う! 全然違う!!
ちっとも分かってないよお母さん!!」
さすがおばあちゃん。
自分の都合のいいように受け流しています。
「でも安心して。
この世界で一番大切な人は春歌ちゃんだから……」
「お母さん……マジで、人の話を聞いて」
本気で聞いてて、こう勘違いしてるんだと思いますよ?
「ということで千夏ちゃん」
「は、はい。なんですか?」
「今日は春歌ちゃんとお食事することにしたから。
お寿司はまた今度ね」
「はあ……別にいいですけど」
「ちょっと!! 私は何も言ってないでしょ!?」
「さあ行きましょ、春歌ちゃん」
「あああ!! お母さんっ!? 引っ張らないで!!」
……親子の仲がいいのは良いことですね。多分。
12月16日 木曜日 「新しい靴」
「お母さ〜ん。
新しい靴買ってくださいよぉ」
キッチンで食器を洗っていたお母さんに、そうおねだりしました。
「家にお金をいれないような子に、あげる靴なんてないわ」
無茶言わないでくださいよ。
この日本で家にお金を入れてる小学生なんてどれだけいるって言うんですか。
「今履いてる靴はどうしたのよ」
「もうボロボロになっていて履けないんですよ」
「ボロボロって言ったって、どうせ穴が開いたぐらいなんでしょ?」
「ええ、そうですよ。
庭に埋めてあった地雷を踏んじゃって、風穴が開いたぐらいですよ」
「じゃあまだ大丈夫よ」
おい、人の話をちゃんと聞いてるんですか?
地雷ですよ?
「大体あなたは物を大事にしなさすぎなのよ!!
このまえだって買ったばかりの筆箱をすぐに壊しちゃうし」
「それ以前にこの家には爆発物が多すぎるんですよ!!
その筆箱だって、家の中で爆発したナパーム弾に焼かれたんですからね!!」
未だになぜ家の中にナパーム弾なんて代物があったのか謎なんですけどね。
その後、30分にもわたる討論を繰り広げたおかげで、
新しい靴を買ってもらえることになりました。
「で、どんな靴が欲しいの?」
お母さんが靴を薦めてくる靴屋の店員を睨みながら、私に聞きます。
ここは近所の靴屋。
安さと丈夫さが自慢な靴が売りで、
センスなんていう言葉が見あたらない節約主婦に優しい靴屋なんです。
……まあいいですけどね。
「どんな靴って言われたって、制服用の革靴に決まってるじゃないですか」
一年生の時から同じデザインの靴を履いていると、
いい加減イヤにもなってくるんですが、仕方ありません。
「しかしあれよね。
もうちょっとその靴も安くなればいいのに。
半ば強制的に購入させられてて高いなんて、なんだか釈然としないわ」
「普通の家では、地雷を踏んで靴をすぐにダメにすることなんて無いから、
採算とれてるんじゃないですか?」
「あ、見て千夏。
あの靴可愛くない?」
流しましたね……。
「わぁ〜、見て見て。
ジャンピングシューズですって」
靴の底にバネが付いているやつですね。
……なんでこんな一発ギャグ商品がこの靴屋に置いてあるんでしょうか?
「こんなの買ってどうするんでしょうね?
いくらなんでも街中で履く訳にはいかないし……」
「6800円かぁ……」
「お、お母さん?」
買う気、満々だったりするんですか!?
「やめてよお母さん。
そんな恥ずかしい物買うぐらいなら、私にブーツでも買ってくださいよ」
「ブーツは跳べないでしょう?」
「飛び跳ねるのがそんなに魅力的なんですか!?」
結局、お母さんはジャンピングシューズを買いやがりました。
もっと、可愛い娘にお金を使ってもいいんじゃないですかね?
いや、本当に。
12月17日 金曜日 「キャンペーングッズ」
「はい、千夏。これあげる」
夕ご飯の材料を買いに行ってたらしいお母さんから、
可愛いんだか可愛くないんだか分からない微妙なキャラクターがプリントされたシールをもらいました。
「うわぁ、やったぁ!!
このシールで、貼ったり剥がしたり
剥がした跡に付いてるネチャネチャしたものに苛立ったり出来るよぉ!!
ありがとうお母さん!!」
「びっくりするほど皮肉で溢れているお礼の言葉ね」
チンケなシールを貰いながらも気を遣ってるんですよ。
「で、何なんですか? このシール」
「スーパーで買い物したらね、プレゼントされたのよ。
何かのキャンペーンなのかしら?」
なるほど。
シールのキャラクターを見てみると、
確かにそのスーパーのマスコットキャラクターみたいです。
そういう宣伝方法なんでしょう。
「でも私はこんなシール要らないんですけど」
「子どもらしく貼ったり剥がしたり剥がした跡のネチャネチャしたものに苛立ちなさいよ」
シールの存在理由はそれだけなんですか?
「あとね、銀行にも寄ったらこういうのも貰ったわ」
お母さんが取り出したのは銀行のマスコットの貯金箱。
またしても微妙な可愛いさのキャラクターでした。
「銀行だから貯金箱ですか……。
こういうキャンペーンって多いですよね」
「この貯金箱は、500円玉が4万8500円分入るんですって」
「うわっ、すごい中途半端」
あと500円玉三枚くらい頑張れなかったんですか?
根性だせよ、貯金箱。
「あとそれと、銀行の次に寄った警察署で……」
なんで夕食の買い出し中に警察署を訪れるんですか。
「拳銃を貰ってきちゃった」
「え!? どんなキャンペーンですかそれは!!」
それはモデルガンですよね?
決して本物ではありませんよね?
「まあ最近物騒だし。自分たちの身は自分で守らなきゃね」
「お母さんみたいな人に銃を渡す方が、
よっぽど治安が悪くなりますよ」
「うわぁっ!! 愛娘に酷いこと言われたショックで、自然と引き金に指がぁ!!」
「嘘つけ!! 思いっきり正気っぽいじゃないですか!!」
パアンと家に響く銃声。
なぜかリーファちゃんの部屋から聞こえる悲鳴。
すごいなお母さん。
壁に挟まれたターゲットを撃ち殺すだなんて。
ゴルゴなんとかもびっくりですよ。
「お母さん……どうするんですか。
私たちの家を殺人現場にして、また家の価値を下げて」
「警察署の次に行った病院で縫合セットをもらったから大丈夫よ」
「縫合セットって言うか、それはただの裁縫箱だよね?」
リーファちゃんの蘇生の可能性がぐ〜んと低くなりました。
12月18日 土曜日 「ウサギさんのクリスマスプレゼント」
「千夏〜、ちょっといいか?」
お母さんに言われて、仕方なく食器洗いのお手伝いをしていた私に、
ウサギさんが声をかけてきました。
何か用ですかね?
「はい? 何ですか?」
「クリスマスプレゼントとか、何が欲しい?」
「うわっ、すごいストレートな質問」
もうちょっと感づかれないように聞いたっていいんじゃないですかね?
まあ小細工しないのはウサギさんの良い所だとは思いますけど……。
「私にクリスマスプレゼントをくれるんですか?」
「まあ一応、そういう日だしさ」
セリフはぶっきらぼうですが、
恥ずかしがって紅くなっているウサギさん。
そんなことされると私まで恥ずかしくなってしまいます。
「えっと、今私が欲しい物は……」
「食器洗い器が欲しいわ」
「お母さんは黙ってて」
っていうか、食器洗いをしている私の目の前でそんなこと言うなんて、姑のイビリですか?
「そうだ!! ウサギさんとの一日デート権とかはどうですか!?」
我ながらいいアイディアだと思うんですが。
「え〜? どうせならもっとお金がかかる物にしなさいよ。
ブランド品のバッグとか高級レストランの食事券とか」
おばさんとそうでない女性との違いって、
慎ましさが有るか無いかの違いだと思うんですよ。お母さん。
「そんなので良いのか?」
「ええ、もちろん!!」
「そっか、分かったよ。
それじゃいつに出かける?」
「やっぱりクリスマスイブとかが私は嬉し……」
「ちょっと待った!! イブは駄目よ、イブは!!」
「もう何なんですかお母さん!!
さっきからウサギさんと私の邪魔ばかりして!!」
「クリスマスイブにデートですって?
とんでもないわそんなこと。
どうせ若さ故のパワーで聖夜が性夜に変わるだけよ。
汚らわしい」
お母さん。一応私、小学生なんですが?
性夜とか、あるはず無いから。
「そんな煩悩だらけのクリスマスナイトを過ごすよりは、
わが家のクリスマスパーティーを楽しんだ方が絶対有意義よ!!」
「ウチってクリスマスパーティーをやるんですか?」
「もちろんよ!
クリスマスにパーティーしないでいつにやるって言うのよ!!」
それはそれでかなり間違ったクリスマスだと思うんですけど?
「要するに、パーティーやるから出かけて欲しくないわけですね?」
「まあそういう解釈もあるわね」
っていうかそうとしか言えないじゃないですか。
もうちょっといい引き止め方ないの?
「でもそのパーティーってウサギさんとのデートより楽しいんですか?
よくある家庭的なしょぼったらしいパーティーだったら、絶対に出かけますからね?」
「楽しいわよ!! 電化製品を包んでいる、衝撃吸収シートをプチプチ潰すより楽しいわよ!!」
そんなみみっちい趣味の代名詞で例えられても。
「例えばどんな楽しさがあるんですか?」
「え〜っと……着ぐるみ着て川柳大会」
「前もそれ聞いたけど、面白くないですってば!!」
「夫婦初の共同作業とか……」
「ケーキ切り分けるのがそんなに楽しいですか?」
それ結婚式じゃないですか。
っていうか夫婦って誰と誰ですか?
まさか私と雪女?
「……デート行っていい?」
「駄目だってば!!」
パーティーが、全然魅力的じゃないんですけど。