6月27日 日曜日 「武道家への道Act2」


 昨日、熊に出会い、そして一日中逃げています。
 日記書いてる場合じゃない気がしますが、
 取り合えず走りながら書かせてもらいます。


 昨日、熊に出会ってからのことを
 童謡「森のくまさん」にのせて説明させてもらいます。

 ……いいじゃないですか。
 楽しむしかないんですよ。
 この状況は。

 


 ある日 森のなか〜 クマさんに 出会った〜♪

 「こんにちわ。熊です」

 「く、熊っていうか……白熊じゃないですか。
  なんでこんな山の奥に……」

 「不況だからさ……」

 「で、出稼ぎ!?」


 花咲く 森の道〜 クマさんに 出会った〜♪

 

 


 クマさんの いうことにゃ お嬢(じょう)さん おにげなさい

 「逃げていいよ」

 「え……なんで」

 「追いつく自信あるから」

 「一応聞いておきますけど……私を捕まえたらどうするんですか?」

 「食べる。二つの意味で」


 スタコラ サッササノサ〜♪ スタコラ サッササノサ〜♪


 「いやああああああ!!! ロリコンな熊はいやああああああ!!!」

 


 ところが クマさんが〜♪ あとから ついてくる〜♪

 トコトコ トコトコと〜♪ トコトコ トコトコと〜♪


 「違う!! トコトコなんて可愛い音じゃない!!
  ドドドだよ!! この音はドドドドドだよ!!」


 お嬢さん お待ちなさい ちょっと 落とし物♪

 白い 貝がらの ちいさな イヤリング♪


 「冥土の土産です」

 「いらない!! それいらない!!」


 あら クマさん ありがとう♪ お礼に 歌いましょう♪

 ラララ ラララララ♪ ラララ ラララララ♪


 「痛い痛い痛い、噛まないで!! かじらないで!!」

 「いい声で歌うねぇ」

 「ちげえだろ!! 歌なんかじゃないだろ!!」


 ……で、二つの意味で喰われそうになった所で
 命からがら逃げてきたわけです。

 

 そして今、目の前に腹が減ったのか、
 それとも別の意味でかよだれを垂らしている熊がいます。

 明日、日記を書けることを祈っています。


 ……うわぁん。


 

 6月28日 月曜日 「武道家への道Act3」



このあとウサギさんは拗ねてました。
別にいいじゃないですか。
ちょっと名前いったぐらいで。


 6月29日 火曜日「奥義習得」


 「よくここまで頑張ったな。
  もう私に教えることは無い」

 「それってつまり……」

 「ああ、免許皆伝だ」


 師匠はそう言って私の頭を撫でてくれました。
 嬉しいけど、ニヤニヤしながら撫でないでください。

 とにかく、ついに私は奥義
 『BREAK・break・DETH・dance』を会得したのです!!

 ずっと熊に追いかけられていただけのような気がしないでもないですが、
 会得したもんは会得したんです。

 

 奥義を会得し、うきうき気分で山を降りた私は
 すぐに学校へと向かいました。
 そう、イジメっ子たちへの復讐のためです。

 なんていったって今の私は昔の私と違います。
 性的愛玩用ロボットから
 リーサルウエポンにランクアップしたんですよ!!


 ちょうど校舎に入る前に校庭で遊んでいるイジメっ子を発見しました。
 最初の標的はは彼に決まりです。


 「何しに来たんだよ。
  ここはお前みたいなゴミが来ていい所じゃないぞ」

 私に、つまり補食者に向かってそんなことをのたまうターゲット。
 今の私には彼の遺言にしか聞こえません。


 「戯れ言はそこまでにしとくのね」

 そう言うと私は奥義の構えをとりました。


 「なんだお前生意気だぞ!!」

 イジメっ子がつかみかかってきます。


 「奥義!! BREAK・break・DEATH・dance!!」


 彼の攻撃を避け、
 身体に拳を叩き込もうとした瞬間……!!


 「え!? 身体が動かない!?」

 なぜかイジメっ子を殴れずパニックになった私の視界に
 パソコンのウインドウのような物が現れます。
 さすがロボットって感じですが初めてみましたよ。

 そのウインドウに書かれていた文字は以下の通り。

 

 『ロボットは人間に危害を加えてはならない』

 

 

 

 


 ……こんな時だけロボットぶるなぁ!!!!


 その後、初めて存在を知ったロボット三原則のおかげで
 イジメっ子にボロボロにされました。


 誰か、私の地獄だった数日間を返してください。

 


 

 6月30日 水曜日「ジャッジメントな彼」


 「アウトー!!」

 家でTVを見ながらうたた寝していた私に、
 突如そんな声がかけられます。

 振り向くと白と黒のストライプのシャツを着た男の人が。
 ……なんでいるの?

 「だ、誰ですかあなたは!?」

 家に勝手に入ってきた男の人に問うと、
 彼は一言。

 「審判です」

 それじゃ仕方ないですね。


 と、言うわけ無く。

 「訳分かりません!! 出てってください!!」

 これ以上変な人と知り合いになりたくないんです。

 「私はただあなたの生活を審判……いわゆるジャッジメントしにきたのです」

 全然わかりません。
 なんなんですかホント。

 「警察呼びますよ?」

 「アウトー!!」

 いきなり叫びます。
 やっぱり警察沙汰にはしたくないのでしょう。

 「それでは話が終わってしまう。
  変な人が普通に逮捕されて連れて行かれるなんて、
  まったく盛り上がらないじゃないか」

 話の展開を気にしてのアウトだったんだ。
 自分が捕まることに対してはどうでもいいんですか?


 「もう帰ってよぉ……」

 泣きそうになりながら懇願します。


 「涙目……上目づかい……私の心にストライーク!!!」

 んだよ。
 やっぱこいつも変態かよ。
 私は変態が寄ってくるフェロモンでも出してるんでしょうかね。

 ……あながち冗談では済まされない気がします。

 

 その後、私が何か行動するたんびにアウトだのセーフだの言ってきました。
 ウザイことこの上無しです。


 「目玉焼きにソースはアウトー!!
  しょう油じゃなきゃ駄目」

 「別にいいでしょ!! そんなの人の好みじゃん!!」

 ……こんな感じです。

 

 なんだかいろいろと疲れきったので、
 早めにベッドに潜りこむことにしました。

 「だぼだぼなパジャマ姿がストライクです」

 「しるかボケ。もう帰れ」

 あまりのストレスに私の口調も変わってます。

 「マッチポイントー!!
  今日の私の審判は?」

 いきなり審判がそんなこと言います。
 今まで野球の審判なのかと思ってたら違うみたいですね。
 っていうか「ストライク」と「マッチポイント」の判定が混在しているスポーツってありましたっけ?

 「良かったんじゃないですか?
  どうでもいいから早く帰ってよ……」

 「デュース」

 また私が二点取らないといけないみたいです。

 ってなんだこれ。

 「なにがしたいんですかぁ……」

 「マッチポイントと言うことは、
  次でオチということなのです」

 オチ?
 私が落とさないといけないんですか?

 「マッチポイントー!!」

 うっせえなもう。

 「今日の私の審判は?」

 え〜と。
 え〜っと……。

 「今日のあなたの審判は
  ……いいあんばいや(アンパイヤ=審判)」

 「ゲームセットー!!!!」


 意味無く喜んでいる男を見ながら、
 私は持ち前の優しさで、
 彼を病院に連れて行ってあげることにしました。
 頭の検査でもしてもらってください。


 まあ検査の結果は見るまでも無く、


 『アウト』なんでしょうけどね。

 

 

 

 7月1日 木曜日 「初めてのアルバイト?」

 家で私の趣味である絵本収集のコレクションを眺めていると……
 簡単に言えば絵本を読んでいると。

 ……いいじゃないですか。
 別に十歳が絵本読んだって。

 とにかく読んでいると。

 「千夏。ちょっと話があるの。
  聞いてくれる?」

 お母さんが真剣な顔で私に話しかけてきました。
 お母さんが真面目モードになった時は、
 大抵ろくでもないことを言う前兆なので、
 ぶっちゃけ逃げたくて仕方ありません。


 「私たち家族はね……とても大きな借金を背負ってるの」

 知ってますよそんなこと。
 前に屋根を差し押さえられてたじゃないですか。

 ……って今周りを見てみたら、家の窓が全部無くなってました。

 だから、なんで家財道具より先に家のパーツを差し出すんですか。


 「その借金を返すためにも、千夏にアルバイトしてほしいの」

 とうとう子供を奉公に出すぐらい追いつめられたんですか。
 うちの家計は。

 「アルバイトって……まさか身体を売れとか?」

 「……」

 おい。
 なんだ、その沈黙は。
 ほらね?
 やっぱりろくでもないことだったでしょ?

 ……うわぁん。


 「も、もう千夏ったら。
  なにを言ってるの?
  そんなわけないじゃない」

 ……ホントですかね?
 いまいち信用できないんですが。

 「少し他の家の掃除とかを手伝ってほしいだけなのよ」

 いったいどこの物好きが小学生に家事手伝いさせるんですか。

 ……しかしこれ以上家のパーツが無くなってもらうと困るので、
 渋々OKしました。

 

 「家事の手伝いって具体的にはなにやるの?」

 私は料理とかは作れませんよ。

 「この服きて、適度にドジ踏んでいればOKよ」

 ドジしていいんですか?
 普通そんなことしたらクビなんじゃ……。

 渡された服をよく見てみると、
 無駄にヒラヒラのついた機能性が皆無な服で。
 その服の名前が一般的じゃない人たちに
 『メイド服』と呼ばれる物だと思い出して。

 「ついでに家の人に『ご主人様ぁ、夜のご奉仕いたしますぅ』
  と舌足らずな声で言えば……」

 「それ、ただのイメージプレイじゃねえか!!
  結局身体売るんじゃん!!」

 小学生が『イメージプレイ』なんていう単語を
 知っていることにつっこまないでください。


 「駄目?」

 「当たり前でしょ!!」

 なに考えてるんですかこの親は。

 「やっぱ千夏にメイドは無理かぁ」

 そういう問題じゃないんですけどね。

 「それじゃ、学生という立場を生かして
  『ドキドキ、教師と生徒のいけない関係』
  にシナリオ修正を……」

 

 養ってもらっていなければ、
 包丁を投げつけるのを
 ためらう理由がなくなるのに。

 そんなことを本気で考える今日この頃。

 


 

 7月2日 金曜日 「ウツウツな日々」

 学校から帰宅する途中、
 白衣を着た、見るからに博士な老人に話しかけられました。

 「君、聞いておくれ。
  私はついに無差別殺人兵器を開発したんだ!!」

 日の明るいうちからやばめなことをのたまうお年寄りですね。


 「そうですか。それじゃ私は先を急ぐんで」

 そう言って立ち去ろうとしますが、
 じいさんは私の腕をつかんで放してくれません。

 「まあそう言わずに聞いてくれよトメ子さん」

 「誰がトメ子ですか!!」

 どう見てもこのじいさんいっちゃってます。

 「時にトメ子さん。鬱病と言うものを知っているかね?」

 トメ子じゃないってば。

 

 確か鬱病っていうのは何に対してもやる気が無くなったり、
 自殺を考えたりする心の病気らしいでしたよね。

 「知ってますけどそれが何か?」

 「近年ではその鬱病である人たちが増え続けているらしい」

 そうみたいですね。
 みなさんいろいろとストレスが溜まってるんでしょう。

 「その鬱病患者には『がんばれ』という言葉は禁句らしい。
  なんでも彼らを追いつめてしまうそうじゃ」

 善意でかけた言葉が相手を苦しめるなんて
 とても皮肉なことですね。

 「そのことが何か兵器と関係が?」

 じいさんはその言葉を待っていたらしく、
 嬉しそうに語りだします。

 

 「つまり!!
  世界中の人にがんばれとエールを送れば、
  何%かの人々は死にたくなるということじゃ!!
  まさに環境破壊一切なしのクリーンかつ合法的な兵器!!」

 基本的にどこか間違っているんですが。
 攻撃対象を定められない兵器を誰が使うんでしょうか?

 ……テロな人たちとか?

 「という訳で世界中の人の心に
  メッセージを届ける精神感応装置を作り出しました」

 その装置だけで携帯電話の存在を脅かすぐらい、
 もの凄い発明なのは気のせいですか?


 「とりあえず範囲をこの街のみに限定して、試運転してみたいと思う」

 「私、帰っていいですか?」

 観たいアニメ始まっちゃいそうなんですが。

 「トメ子さんにはぜひこの兵器の威力を間近で見てもらいたいんじゃ」

 だからトメ子じゃ……。

 「スイッチオン!!」

 聞いちゃいねえ。

 じいさんは精神感応装置とか言う兵器のボタンを
 これでもかってぐらい押しました。
 なんか鬱病患者に恨みでもあるんでしょうかね。

 

 「……」

 「……何も起きないですね」

 やっぱり失敗ですか?

 「……すごく死にたい」

 どうやら範囲を狭めすぎて
 じいさんにしか効果が届かなかったみたいですね。

 っていうかあんた鬱病だったのかよ。
 よくそれで兵器の発明なんてできましたね。

 「まったくもう、なんで私はこんな変な人たちに出会うんだろ」

 そういう運命なのでしょうか。

 「イヤだな。こんな人生。
  もう死にたい」

 ……はっ!!

 私、鬱病!? 


 

 7月3日  土曜日 「1000HITに向けて」


 サイトのカウンターを見てみると、
 数日中には1000HITを迎えられそうです。

 やっぱり1000HITはどこかめでたいので、
 なにかプレゼントというか記念品とかいう物をUPしたほうが良いんでしょうかね?
 でも一体何をUPしたら……。

 悩んでいても仕方ないので他人に聞いてみることにします。

 


 ○ウサギさんの場合


 「ウサギさん。何か貰ったら嬉しい物ってあります?」

 「なんだいきなり……?」

 新聞を読んでいたウサギさんが怪訝な顔で尋ね返します。

 「誰かにプレゼントとか?」

 「えっと……そんな感じです」

 「……男か?」

 は?


 「そうなんだな。ついに千夏に男の影が……」

 まるでため息のように呟きます。

 「ちょ、ちょっと何言ってるんですか!?」

 「千夏だって年頃だもんな。そういう時が来ることは分かっていたさ」

 どこか反応が父親みたいなんですが。


 「そんな男の人いませんよ」

 私の周りの男性は変態かイジメっ子のどちらかなので。

 「それに今は……ウサギさんが一番好きですし」

 って、ちょっと種族とか性別とか問題的な告白しちゃいました。


 「千夏……」

 「ウサギさん……」

 見つめあう二人。
 近付く顔。

 

 「俺、発情期じゃないと恋愛感情が生まれないんだよな」

 「やっぱうさぎなんですね」

 ……それ、聞きたくなかったです。

 


 ○黒服の場合


 何気にサラリと振られたあと、
 庭でゴルフの素振りをしていた黒服に話しかけました。

 借金のかたに持っていかれたのたのかと思っていたけど、
 いつの間にか戻ってきてました。


 「黒服さん、何か欲しかったりするものってありますか?」

 「アニメのDVDが……」

 「却下です」

 この人にアニメのDVDを見せたら私の身体に新機能が付いちゃうので。
 っていうかサイトにUPできるものじゃないですし。

 

 ○お母さんの場合


 「お母さん、何か欲しい物……」

 「ドアが欲しい」

 「また差し出したんですかー!!!」

 

 

 こんな感じで
 このままだと今作成中の新TOP絵が1000HIT記念品になってしまう気がします。

 


 


過去の日記