9月11日 日曜日 「お見舞い」

 「いやー、もう大変だったよ。検査とか、すっごく痛かったんだから」

 「うわぁ……痛い奴ですかぁ。それは本当に大変だったでしょうねぇ」

 「でもあれだね。私は別に平気だったね。全然泣かなかったし」

 「へぇー。そういう事をわざわざ自分から言う人は、大抵泣いた人間だと思いますけど、
  一応わーすごいねハルカちゃん♪ みたいな事を言っておきます」

 「そこまで心の内を曝け出されるともう何も言えない」

 それはどうも。



 私は今、ハルカちゃんのお見舞いで神様の家に居ます。
 ……神様の家ってのも不思議単語ですよね。
 どっかの宗教の集会所みたいな感じがして不気味な語感があります。

 神様の家はそりゃあもう集落の文明レベルとは桁外れな建築物でした。
 絶対にプラスティックだとかセラミックだとか、そういう科学物質を使って作られたであろうつるつるの外壁。
 全自動で開くドア。フカフカのカーペットやベッド。ついでに標準装備されてるメイドロボ。
 一部間違った感じの欲望が具現化されてる事を除いて、この場所は私たちが住んでいた時代の技術力と同等、
 もしくはそれ以上の力がある事が一目で分かります。

 もしかして神様というのは、未来人の事ではないでしょうか?
 何にせよ、ますますその正体を暴いてやりたくなりました。



 「それでですねハルカちゃん。ここの暮らしはどうですか? やっぱり快適?」

 「まあね。出される料理も美味しいし、ふかふかのベッドは気持ちいいし、料理は美味しいし、料理は美味しいし」

 「あなたの生活における快適指数の向上には、食事の存在が何より必要だと言う事はわかりました」

 本当に意地汚いですね……。
 まあきっとこの時代における食事は、命と直結した物なんだと思いましょう。


 「そう言えばさ、なんかお見舞いの品とか持って来てないの?」

 「さっきからやけにちらちら私のほうを見てると思ったらそれが言いたかったんですか。
  恋する乙女かと思ってましたよ」

 「ねー! 持って来てないのー? お見舞いのプレゼントー?」

 そもそも病人に何かをあげる風習がいまいち良く分からないんですけどね。
 こういうプレゼントは、病気から気を紛らわせるための物なんでしょうか。

 「まあ一応持ってきた事は持ってきましたよ」

 「本当に!? さすが居候の千夏ちゃん!! 立場をわきまえてる!!」

 「ちょっと……その微妙に私がタダ飯喰らいなのを攻めた感じな発言は止めてくださいよ。
  もう気持ちよくご飯を食べれなくなっちゃう」

 「早く♪ 早く♪ 早く♪」

 「くっ……どこまでもマイペースな病人ですね」

 あんた、多分長生きしますよ。



 「はいどうぞ。これが私のお見舞いの品です」

 「わーい♪ いやぁ、別に気を使わなくたっていいのにぃ♪」

 「どの口がそんなセリフを吐くかね」

 「じゃあ開けるねー♪」

 ハルカちゃんは私が差し出したプレゼントの包みを、そりゃあもう楽しそうに開けます。
 こう、びりびりばりばりと。もうちょっと綺麗に開けてくれませんかね?
 その包みも私がやったんで、結構嫌な気持ちになるんですけど?

 「わー! これは…………これは、何?」

 「ハルカちゃんってガンプラ好きでしょ?
  だからロボットをあげたら喜ぶかなーって思いまして」

 「いや、だから、これは何?」

 「私の手作りロボコンです」

 「びみょー!! ロボコンって、キャラ自体がびみょー!!」

 ちょっと。好きな人には失礼じゃないですか。

 「一部の年代にしか理解されないロボットよ!?
  っていうか何であなたはロボコンの存在を知ってるのよ!! その歳で!!」

 「そんな事言ったらハルカちゃんだってなんでロボコンの事を知ってるんですか」

 ついでにガンダムも。

 「はぁ……なんかテンションがた落ち。私、死ぬかも」

 「ちょっと……私のせいで病気がぶり返したみたいに言わないでくださいよ。
  ほら、このロボコンはすごいんですよー?
  なんとですね、フェイスオープンのギミックで暴走状態を完全再現!!」

 「ロボコンにそんなエヴァちっくな設定は存在しない」

 エヴァも知ってたんですねハルカちゃん。






 9月12日 月曜日 「戦争?」


 「あー暇だなぁ……」

 原始時代生活を初めて一週間ちょっと。
 ここにも慣れてしまって、結構退屈になってきました。
 あ……そういえば現代のお母さんとかは今どうしてるんですかね?
 まさかまだ塔の地下室に篭城してるんじゃ……。
 やっぱり迎えに行ってあげた方がいいんでしょうか。


 「はぁ……ここでぐうたらしてても何も始まらないし、
  とりあえずこの時代に来るきっかけになった穴にでも行ってみますか」

 場所をきちんと覚えてるわけでは無いのでちょっと不安だったりするんですけどね。

 「よっこらせ……」

 『ビュン!!』

 私が重い腰を年寄り臭い声と共に上げようとした瞬間、私の頭の上の何かが通り過ぎました。
 カナブンでも突っ込んできたのかと思い、何かが通った先を見ると…………

 「にぎゃーーー!!!!」

 「ちょ、何!? どうしたの千夏ちゃん!?」

 私の、自分でもどうかと思う叫び声を聞いて部屋へと駆けてくるアミカさん。
 当の私は腰を抜かして、部屋に座り込んでました。

 「なに!? 何があったの!? もしかして、大きいムカデが腕を這っていたとか!?」

 「そ、それもびっくりしますけど……それとは桁違いな衝撃が私を襲ってですねぇ……」

 「???」

 訳が分からないといった顔をするアミカさん。
 私はもう上手く舌が動いてくれないので、震える手で壁の方を指差しました。

 「まあ♪ 木目が人の顔に見えるわね♪」

 「違うよ!! 別に人の視認の曖昧さで生まれた人面模様なんてどうでもいいよ!!
  それよりアレ!! なんか壁に刺さってる物!!」

 「あ〜……矢ね」

 「そうですよ矢ですよ!! 狩猟に使われる武器が、私の頭のすぐ上を掠めていったんですよ!!」

 「な〜んだ。矢かぁ……。
  それよりさ、この木目って笑ってる人の顔に見えない?」

 「それよりって何!?」

 この世界では頭のすぐ上を矢が飛んでいくことぐらい日常茶飯事なんですか?
 そんな身長が高い人に優しくない世界はすっごく嫌なんですけど?


 「なんで矢が飛んでくるんですかぁ……」

 「う〜ん……なんでだろうねぇ? 矢も千夏ちゃんの上を通りたい時期があるんじゃない?」

 「そんな反抗期があるのごとく言われても……」

 私たちがそんなどうでも良い事を話していると、家の外がにわかに騒がしくなってきました。
 お祭りでもあるんですかね?

 「なんの騒ぎですかこれは?」

 「んーっとねぇ、多分他の部族が攻めてきたのね」

 「へぇー。他の部族が」

 ……ってオイッ!! かなりの大事件じゃないですか!!
 なにさらっとご来客なの的な感じで処理してるんです!!

 「まあこういう事はたびたびあるから、そんなに慌てなくてもいいわよ」

 「たびたび!?」

 やっぱり原始時代にもこういう争いがあったんですか……。

 「た、例えですね、たびたびこういう事があっても一応避難しておいた方がいいと思うんですけど?」

 「大丈夫大丈夫」

 「ちょっと、なんでそんなに落ち着いていられるんですか!?」

 「ここはね、神様がいる村なんだから♪」

 「へ?」

 良く分からない事を行ってるアミカさんを呆けた目で見ていると、
 外からなにやら悲鳴のような物が聞こえてきました。
 何事かと窓から外の風景を見てみると……三国無双的な風景が広がっていました。
 つまり、ばったばったと侵略者が吹き飛んでます。

 「な、なんなんですかあの人たちは!?」

 「あれは神様の守り人よ。こういった場合には、私たちを助けてくれるの」

 ああ……確かにいつか助けてもらった、ウサギさんに似てる人も闘っていました。
 侵略者をなぎ払うその光景は爽快としか言いようがありません。

 「すごいですねぇ……」

 「そうでしょう? この集落の防衛力は私の財布の紐並みなんだから♪」

 「その例えは良く分かりません」

 っていうか財布の紐に例えられる防衛力はあまりすごい物に思えませんよ?







 9月13日 火曜日 「捕獲」

 「うはーっ!! ビバ退院!!」

 「おーっ。すっごく元気そうですねぇハルカちゃん」

 「まあねー♪ こんなに元気になったんだから、どんどん遊んじゃうぞー♪」

 「今まで外に全然出なかった人とは思えないポジティブさですね。
  よっぽど入院してた時にはうっぷんが溜まってたのか……」

 「よし! 遊ぼうぜ千夏ちゃん!!」

 「口調が男勝りになってますよ?」

 ストレスって人間の性格まで変えてしまうんですね。
 でもプラスの方に働く人間は数少ないと思いますけど。


 「そういえばさ、なんだか昨日めちゃくちゃ騒がしかったんだけど何かあったの?」

 「あれだけの騒ぎだったのに何も気付かなかったんですか……。
  えっとですね、どっかの部族がこの村に攻めてきたんですよ。
  まあ神様の守り人さんたちがぼっこぼこにして事なきを得たんですけど」

 「へぇー。そんな事が。どうりで神様たちが騒がしかったわけだ」

 「そういう訳なんです」

 「じゃあさ、遊びに行こうよ」

 全然知ったこっちゃ無いって感じですね。
 まあハルカちゃんらしいと言えばらしいですけど……。



 「遊びに行くって、一体どこに行くんですか?」

 「近くにね、川があるの。そこだったら大きな獣も居ないだろうし、とっても涼しいから気持ちいい場所なんだよ」

 「へぇー。そんな場所があるなんて知りませんでしたよ。
  ここら辺、結構歩き回ってるのに。
  それで、どこら辺にその川があるんですか?」

 「えーっと、歩いて3時間ぐらい?」

 「さすが原始時代の近くですねっ!!」

 現代人の私にはその3時間は耐えられない物なんですけど?
 っていうか無駄に元気になっちゃいましたねハルカちゃん。
 こんな事ならもうちょっと入院してても良かったのに……。

 「じゃあさっそく川へレッツゴー♪」

 「おー……」

 あまり乗り気ではないんですけども、今のハルカちゃんを止める手立ては私にはありません。
 誰か、あの引き篭もってた頃のハルカちゃんを返してください。









 アウグムビッシュム族の集落から出発する事およそ3時間。
 私とハルカちゃんはへとへとになりながらも件の川へと辿り着きました。
 もうここに来るまでに遊ぶ気力を使い果たした感じなんですけど?
 これからここでどう過ごすって言うんですか……。

 「さーって♪ 何して遊ぼっか?」

 「はぁはぁはぁ……本当に無駄に元気ですね。
  一体入院生活中に何があったんですか……?」

 もしかしてどこか改造されちゃいましたか?
 それとも腐っても原始人という事なのでしょうか……。
 現代人の私とは体力が桁違いですね。

 「神様のおうちでねぇー、美味しいもの一杯食べたからかな♪
  元気が有り余って仕方ないの」

 「それ、変な薬でも入ってたんじゃないんですか?」

 どう見ても薬物の影響っぽいですよ。
 その変化は。

 「あー、美味しかったなぁ。チキンラーメン」

 「神様の家で食べた料理ってキチンラーメンなんですか!?
  何でこんな時代にそんな即席麺が!?」

 あと、チキンラーメンには滋養強壮の効果は無いと思うんですよね。
 絶対に。

 「あの味は忘れられないよ。なんか、チキンの味がしたし」

 「そう言うほどチキンしてないと思いますけどね。
  チキンラーメン」

 言うなればチキンラーメンはチキンラーメン味ですし。


 「とにかく私はすこぶる元気なのです!! だから一杯あそぼー!!」

 「はいはい、分かりましたよ。いっぱい遊びましょう」

 まあアレだけ捻くれていたハルカちゃんが、こんなにもポジティブになれた事は
 素直に喜ぶべきなんですよね。
 ウザく思っていちゃ駄目なんですよね。

 まあなんていうか、変な薬を飲まされたとしか思えないとしても。







 「えーっと、それじゃあまずジャンケンしよっか?」

 「ジャンケンぐらい家でやれよ。
  3時間歩き続けてまでやる事ではないでしょう」

 「じゃあ縄跳び?」

 「それも家で……」

 下らないことを話していた私たちのすぐ側の林が、不自然に音を立てます。
 風なんて全然吹いていないのに……なんだか気味が悪くて言葉を止めてしまいました。

 「……ねぇハルカちゃん。今誰かの気配を感じたような……」

 「しっ! 黙って千夏ちゃん!!」

 真剣な面持ちで私の口を塞ぐハルカちゃん。
 何か危険な獣でも居たのではないかと思い、私は素直に黙り込みます。

 「……」

 「……」

 そして流れる静寂の時間。じりじりと、緊張感で心が焼かれていく気がします。

 「……って感じに言うと、なんかすごくカッコいいよね。
  忍者っぽくて」

 「適当に言っただけなんですか!!」

 私の緊張感を返せ。
 あのドキドキを、返してくれ。

 「だってさぁ、私なんかに何かの気配が分かるわけないじゃん」

 「それはそうですけどっ!! ちょっとどっきりしちゃったじゃないですか!!」

 「あはははは!! 千夏ちゃんって単純だねー♪
  こんなのどかな所に危険な生きものなんていな……」

 突然、言葉を途切れさせるハルカちゃん。
 どうかしたのかと尋ねようとした瞬間……。

 「ウガー!!!!」

 「きゃああああ!!!!」

 突然先ほどの林から飛び出してくる原始人。
 さっきのはやっぱり気のせいじゃなかったんですか!!

 「ちょ、あなた達はいったい……」

 『ゴンッ!!』



 げんしじんAは こんぼうで ちなつにこうげき。
 ちなつは 5 のダメージ。
 ちなつは きをうしなってしまった。

 はるかは おどろきとまどっている。
 げんしじんBは こんぼうで はるかにこうげき。
 はるかは ひらりとみをかわした。
 しかし いしにつまづき きをうしなってしまった。

 げんしじんは にくA と にくB をてにいれた。







 …………私たち、どうやら食用みたいです。
 助けてー。だれかー助けてー。








 9月14日 水曜日 「さらわれた理由」


 昨日、私たちは見知らぬ原始人たちの手によって捕まってしまいました。
 今、私たちはその原始人たちの居住区らしい洞穴に入れられています。
 ああ……きっと私たちは食べられてしまうんですよ。
 ガジガジと、骨の髄までかじられてしまうんですよ!!

 「ううぅ……なんでこんな事に」

 「千夏ちゃん、落ち着いて」

 「ハルカちゃぁん……なんでそんなに落ち着いてるんですかぁ。
  私たち、食べられちゃうかもしれないんですよぉ?」

 「大丈夫だって。私たち痩せてるから、せいぜいダシを取られるぐらいだよ」

 そうですね。煮殺されるぐらいで済みますよね。
 うわぁぁん……。



 「はぁあ……ハルカちゃんなんかに乗せられて川なんかに行かなければ、こんな事にはならなかったのに……。
  何が危険な生きものなんて居ない川ですか……」

 「ふふふ……獣より恐ろしいものは、私たち人間だったって事ね。
  なんて皮肉な……」

 「なんとなく達観したような事言ってないで、早くここから脱出する手立てを考えましょうよ。
  実際の危機に直面している状態では、哲学なんてゴミクズにも劣ります」

 「ふふ……闘いを終わらす物は思想では無く武力か。
  世知辛い世の中……」

 「だから、とっととこの手を縛っている紐をどうにか切りましょうってば。
  その事に脳みそ使ってくださいよ」

 現実逃避するにはまだ早いっての。



 「でもさぁ、なんで私たちなんか捕まえたんだろうね?
  もっと食べがいのある動物は他にも居たはずなのに?」

 「知りませんよそんな事……。
  よっぽど肉でも食べたかったんじゃないんですか?」

 「でもさぁ、今年はいっぱい食べ物あるはずなんだけどなぁ」

 「酒のつまみ的な感じで捕まえてきたんでしょ?
  いいから喋ってないで、この尖った石にロープをこすり付けてですねぇ」

 「私たちって、酒のつまみなんだ……。メインディッシュにはなれないんだ……」

 そこにがっかりするなよハルカちゃん。
 ご飯になっちゃう事自体がすんごくがっかりな事なんですよ。




 「やぁ君たち。元気かね?」

 「っ!?」

 突然私たちにかけられる声。
 その声のした方を振り向いてみると、白いひげを生やした老人が立っていました。

 「あ、あなたは誰なんですか!?」

 「この集落の族長だ。君たちをここに連れてくるように命じたのも私だ」

 「なんですって!? あなたが私たちを!?
  一体何のためにそんな事を!!」

 「それは……」

 「ストーップ!!!!」

 急に大声を出して私たちの会話を止めるハルカちゃん。
 一体何がどうしたって言うんですか。

 「ど、どうしたのハルカちゃん?」

 「すっごくっ! トイレに行きたいのです!!!!
  ずっと縛られたままこうしてたから!!!!」

 …………あぁ、なるほど。




 〜一時休憩中〜


 「えー、それでは、仕切りなおしたいと思います」

 「はぁ……それはどうも族長さん。うちのハルカが迷惑をかけました」

 「いえいえ、こういう場合は助け合いの心が大切ですので」

 無駄に優しいカニバリスト族長ですねぇ。

 「それで……なんで私たちを誘拐したんですか?」

 「それはですね、その子が神の力を持っているからなのです!!」

 「へ!?」

 族長が指差す先にいたのは、出すもん出してすっきりした顔のハルカちゃん。

 「ハルカちゃんが神の力を持ってるですって!?
  なんかそれ、すっごくRPGっぽい!!」

 「な、なんですか? そのあーるぴーじーってのは?」

 ロールプレイングゲームの略でして……って説明は別に良いですか。
 なんか普通の原始人の反応を久しぶりに見た気がしますね。
 うんうん、さすがエセ原始人のアウグムビッシュム族とは訳が違います。

 「でも……神の力って具体的にどんな物なんですか?
  人を腹立たせる事を無意識にやるとか? 傷つける言葉をやすやすと吐くとか?」

 「そんなイジメっ子体質な神さまなんて居るわけないでしょう……」

 ハルカちゃんを見てるとそう思っちゃったんですよ。


 「神の力……それは、全てを自分の意のままに組み替える力」

 「おおー。何となく壮大っぽくて、それでいてなおかつ具体的な説明が何もなされていない。
  さすが神の力。神と名が付くだけあって全てにおいて曖昧ですね」

 「あなた、神様が嫌いでしょ?」

 そりゃあね。神様と消費者金融ほど怪しい存在はこの世に無いですよ。

 「とにかく、私たちは神の力を持っているハルカさんを迎え入れ、
  私たち部族の新しい神になって欲しいのです!!」

 「え!? ハルカちゃんが神様に!?」

 あなたたち、そんなに部族を滅ぼしたいんですか。



 「私が神に……?」

 「そうですハルカさん!! どうか、私たちの元へと来てください!!」

 顔を俯かせ、ぷるぷると拳を震わせるハルカちゃん。
 そりゃそうでしょう。ハルカちゃんは、私以上に神様が嫌いなんだから。
 こんなみょうちくりんな誘いを受けるわけ…………

 「おーっほっほっほっほっほ!!!!
  ハルカさまとお呼びっ!!!!」

 「思いのほかノリノリだー!!??」

 っていうか、そのセリフは神様じゃなくて女王様だよ。









 9月15日 木曜日 「わがまま神様」

 あらすじ:ハルカちゃんが神さまになりました。


 「ふははははは!!!! もっと料理持ってこんかぁい!!!!」

 「は、ハルカちゃん? ここはアウグムビッシュム族じゃないんだから、
  そんなに食料を備蓄してるとは思えないんですけど?」

 「だから何?」

 「いや、だからですね、このままだと皆さんが食べる分が……」

 「神様を満足させるのを優先させるのは、当然の事でしょうが。
  それにね、ご飯が無くなれば霞を食べればいいのよ」

 「パンが無ければケーキみたいな、ずっと後に生まれる歴史的有名人のセリフを言わないでください」

 あと、霞を食べて腹を満たせるのは仙人だけです。



 「あー、なんかここって天国よねぇ。遊んで暮らせるし」

 「神様の癖にこんな村が天国なんて言っちゃうんですか。
  さすがエセ神」

 「もー、さっきから何なのよ千夏ちゃーん!
  私に文句ばっかり言ってぇ!! せっかく千夏ちゃんを私の助手にしてあげてるのに!!」

 「助手だってんですか私は。っていうか神様の助手って何?」

 「もちろん天使に決まってるじゃない」

 「ああ……なるほど、天使ですか」

 「そう、天使。空から冴えない主人公の家に落ちてくる職業」

 「私とハルカちゃんの天使観にはかなりの隔たりがありますね」

 っていうかどこのラブコメだよ。その設定は。


 「っていうかさぁ、私はなんで千夏ちゃんがそんなに文句を言うのか分からない。
  すっごくいい場所じゃない。食べて遊んで寝放題なんだから」

 「うー……だってですねぇ、ハルカちゃんって今、神様を騙って人を騙してるんですよ?
  そんな悪い事やめて早くアウグムビッシュム族の集落に帰りましょうよぉ」

 「嫌だよーだ!! 私、アウグムビッシュム族の事嫌いだもん!!」

 「そんな……自分の住んでいた村でしょう?」

 「それでも嫌いなもんは嫌いなのー」

 「はぁ……そうですか」

 このわがまま娘は本当にどうしようも無いですねぇ。
 首に縄つけて引っ張って連れ帰りましょうか。



 「は、ハルカさま……あのですね、そろそろ神の力を見せていただきたいのですが……」

 「神の力? ……ああ、はいはい。神の力ね」

 そんなの持ってないでしょハルカちゃん。
 一体このピンチをどうやって切り抜けるつもりなんですか。

 「それじゃあねぇ……この壁画に描かれている虎を、見事従えて見せるわ!!」

 「……はい?」

 「ちょ、何言ってるんですかハルカちゃん?」

 「だから、まずはこの虎を壁画から追い出してください。
  そうしたら、私が神の力を使って、見事に従えてみせますから」

 この状況下で一休さんのとんちをやるとはすごいですねハルカちゃん。
 でもですね、なんか色々と間違ってる気がするんですけど?

 「えっと……虎の絵を外に出す事なんて出来ません」

 「じゃー無理だぁ。本当に残念だなぁ」

 「でも神様なら虎の絵を外に出す事ぐらい朝飯前なんじゃないですか?」

 「え?」

 ぷっ……上手い事返されちゃってるじゃないですか。
 さあハルカちゃん。この状況をどう切り抜けるんです?

 「神様だってー! 出来ない事の1つや2つ、ありますー!!
  例えば、私はビデオの録画予約がすっごく苦手だったりします!!」

 うわっ、開き直っちゃったよこの神様。
 威厳も何もあったもんじゃないですね。

 あと、ビデオ録画が出来ないなんてウチのおかんか。
 ……ああ、そういえばその疑惑もまだ解決してなかったんですね。


 「と、とにかく何か奇跡を見せていただかない事には……」

 「えー? んじゃあねぇ……この縦じまの布を横じまに……」

 マギー一族だったんですかあなたは。
 っていうかいくら原始人でもそんな手に騙されるわけ……。

 「ま、まさしくこれは奇跡だ!!!!」

 ……所詮原人か。









 9月16日 金曜日 「ハルカ奪還」

 「ハルカちゃぁん……」

 「どうしたの千夏ちゃん? そんなに情けない声出して?」

 「そりゃ情けない声も出ますよ……。
  ハルカちゃんはいつまでここに居るつもりなんです?
  早く帰りましょうよぉ」

 私たちはまだハルカちゃんを神だと崇めている部族の村に居座っていました。
 もう早く帰りたくて仕方ありません。

 「もーっ、なんでそんなにあの村に帰りたがるの?
  私にはそこが分からない」

 「なんでってそりゃあ……」

 「それは?」

 「ジャグジーバスが無いからですよ」

 「けっ。この都会っ子が」

 ハルカちゃんの口からそれが出るのはおかしいですよね?
 っていうか都会という表現がこの時代にある事もおかしいですけど……もうそういうのには突っ込まない事にします。
 だってキリが無いし。

 「私の子どもの頃はねぇ、ジャグジーバスなんて豪華なもの、全然無かったんだから!
  水浴びだけで事を済ませてたのよ? あの冬の川の水の冷たさを教えてあげたいわ」

 「ハルカちゃんだって子どもじゃないですか……。
  っていうかさ、本当に水浴びだけで済ませた事あるの?
  私から見れば、ハルカちゃんだって十分温室育ちなんですけど?」

 「あるわよそれくらい。
  お父さんにアウグムビッシュム族の集落に連れてこられるまでは」

 「ハルカちゃんのお父さん……?」

 「まあ本当は血は繋がってないけど、私にとってはお父さんみたいな人の事」

 「へぇー……。どんな人だったんですか?」

 「男の人だった」

 「これで女性だったら私は今まで自分が持ってた価値観を捨てなくちゃいけませんよ」

 「それでねぇ、とっても優しい人だったよ。頭おかしかったけど」

 「へ!? 頭がおかしかったんですか!?
  ……それでよくもまあ優しいだなんて言えましたね」

 「別にさ、頭がおかしいのと優しいのって繋がりないじゃん。
  だからね、優しくて頭おかしかったの。
  普通の人で優しくない奴よりはずっとマシだと思うけど」

 「はぁ……まあそうなんですかね?」

 「それでね、お父さんにアウグムビッシュム族の集落に連れてこられたのは良かったんだけど……」

 「良かったんだけど?」

 「お父さんは、神様の連中に殺された」

 「え!? 神様が殺したってどういう事……」

 「ハルカさまぁ!!!!」

 私たちの会話を遮って、1人の原始人の男性が神の間(ハルカちゃん用に作られた部屋)に入ってきます。
 なんだか彼はとても大慌てで、何か大変な事が起こったという事がすぐに分かりました。



 「ど、どうしたんですか!?」

 「ハルカさま!! どうか、私らを助けてください!!!!」

 「だからどうした……」

 「お願いです!! どうか、どうかお願いします!!!!」

 本当にパニックになっているらしく、男性はこちらの話を聞いてくれません。
 これじゃあ何が起こったのか、全然分からないじゃないですか。

 「落ち着きなさい!! 神の御前ですよ!!」

 「はっ、はい!!」

 うわ。すごいよハルカちゃん。
 偽物の神の恫喝で、無理矢理冷静にさせちゃった。
 やっぱり神様の称号ってのはすごいですね。なんの変哲も無い子どもにも威厳を与えてしまうんだから。
 腐っても神ですか。なるほど。

 「ちょっと千夏ちゃん。なんかすっごく失礼な事考えてない?」

 「滅相もございません神様」

 「そのいつになく卑屈な態度がすっごく気になる」

 こんな時だけ神通力を発生させないでください。

 「は、ハルカさま……お願いです。お助けください」

 「まず何が起こったのかを、事細やかにそれでいて素早くなおかつ滑らかにしっとりと
  原稿用紙5枚ほどの内容とあらすじとディレクターズカットを付けて話しなさい!!」

 注文の多い神様だな。
 無理言って困らせないでくださいよ。

 「じ、実はですね……敵がこの村に攻めてきたんです!!」

 「敵!? よっしゃ! 逃げよう!!」

 「状況判断能力すごっ!!??」

 敵と聞いて2秒足らずで撤退を決定するとは、ハルカちゃんは優秀な軍師の才能があるんじゃないですか?
 または、逃げ足のチャンオンの才能が。

 「そ、それじゃあ困りますよハルカさま!!
  お願いですから助けてください!!」

 「助けろって言われてもさぁ……私にできるのは縦じまのハンカチを横じまにするぐらいだからなぁ」

 「手品師で代用が利きそうな神様ですね」

 「お願いです!! 神の力で何とか!!」

 「えっとそれじゃあ……とりあえず、敵ってどんな奴らなの?
  敵の正体によって、逃げるか逃避か撤退かって作戦が変わってくるんだけど」

 「どれも同じですよね」

 「ええっとですね……それが見た目は普通の人間なんですけど、えらく強くって……。
  弓矢も投げやりも、まったく利かないんです!!」

 「よし。逃げよう」

 「結局その選択肢しかないんですか……」

 まあ武器が通用しない相手なんだから、私がいくら頑張ろうとどうにもならないのは目に見えてるんですけどね。



 「追い詰めたぞ!! 降伏しろ!!」

 「ひぃぃ!!!!」

 神の間に突入してくる人影。
 おそらく彼らが件の敵なんでしょう。
 私たちはすでに逃げ場を失ってしまいました。

 「よし! 千夏ちゃん突っ込め!!」

 「なんでやねん!!」

 「違う!! そっちの突っ込みじゃない!!
  ただ相手に突入して退路を切り開いてもらいたかっただけなのに!!」

 なんにしても酷いことさせようとしましたねハルカちゃん。

 「ハルカ!! 大丈夫!?」

 「え……この声はアミカさん?」

 久しぶりに聞くアミカさんの声が、突入してきた敵軍の中から聞こえてきます。
 っていう事は……。

 「お母さん!? なんでこんな所に……」

 「なんでって、あなたを助けに来たんじゃない!!」

 どうやら敵というのは、アウグムビッシュム族の救出隊の事だったらしいです。
 そう言えばさっきウサギさん(似)の人も見かけましたね。
 ちなみにこの(似)って言うのは、似ているの似と2人目の2をかけたものです。
 えへへ、ちょっと上手いでしょ?

 「う、うわぁ〜ん! 怖かったよぉ!!!!」

 「ハルカ!!!!」

 ガシッっと抱きつくハルカちゃんとアミカさん。
 あれほど帰りたくなかったハルカちゃんが泣いて抱きついているだなんて……。
 すっげぇ演技臭が漂ってきますね。多分空気的にそうしなくちゃいけないと思ったんでしょう。
 本当に怖い子だよあんたは。







 「おいお前。何故ハルカが器の持ち主だと言う事を知っていた?
  誰に聞いたんだ?」

 演技臭い感動の親子の対面が行われている隅で、ウサギさん(似)が1人の原始人の首を掴みながら問い詰めていました。
 尋問をしている彼女のその顔はとても怖くて、ウサギさんとは別人である事を私に思い知らせます。

 「うっ、あ……く、黒いお星様に聞いた……」

 黒いお星様? 星って、だいたい光り輝いてるものなんじゃないですか?
 そうじゃなきゃ星って確認できないわけだし……。

 「くっ……そういう事か」

 原始人さんを離すウサギさん(似)。
 なんだか、よからぬ空気が漂ってきました。
 何か起きなければいいけど……。









 9月17日 土曜日 「大妖怪戦争」

 「はぁ〜……暇ですねぇハルカちゃん」

 「そうだねー」

 昨日、原始人たちの下から助けられた私たちは、
 無事にアウグムビッシュム族の集落へと帰ってくる事が出来ました。

 「どこか遊びに行きますか?」

 「んーやめとく。こっから出たら怒られるし」

 ハルカちゃんは今自宅謹慎中です。
 まあこの騒動の始まりが、ハルカちゃんの遠出だったんだから仕方ない事でしょう。
 でもせっかく引き篭もりを克服していたハルカちゃんが、家に閉じ込められる事になるのは、少しだけ残念です。

 「でも酷いよねぇ。私が悪いんじゃなくてさ、あの原始人たちが元凶だって言うのに」

 「まあ確かにそうかもしれませんけど……無断で遠い場所に出かけた私たちもうかつだったわけですし」

 「ちぇー。んだよこの万年係長。お前は長い物に巻かれる生き方しか出来ないのか!!」

 ハルカちゃんこそ、酒の席の万年部長補佐みたいな事言わないでください。
 酔ってるのかお前は。


 「はぁーあ。結局私はこの村に戻ってくるのか……」

 「そんなにこの村が嫌いなんですか……。
  アミカさんっていう素敵なお母さんも居るし、そんなに悪い場所だとは思わないんですけどね……」

 「そおかなぁ?」

 「そうですよ。私のお母さんなんて酷いんですよ?
  私にいつも怪しいアルバイトさせようとするし。
  平気な顔して犯罪的な行動を起こすし」

 「あはははは、本当に酷いお母さんだね」

 それがあなたなのでは無いかという疑惑が、いまだ晴れていないんですけどね。


 「お母さん……アミカさんはねぇ、多分私の事、罪滅ぼしって感じで育ててるんだと思う。
  だからあまり好きにはなれない」

 「罪滅ぼしですか……?」

 「私のお父さん……ここに連れてきた人と色々あったらしくてさ。
  私がこんな身体になったのは自分のせいだって思って、贖罪のために私を養ってるんだよ。
  これは間違いないと思う」

 ハルカちゃんが寂しそうに自分の機械の手足を動かします。
 ああ……この子は、人の愛を素直に信じられないんだ。
 なまじ頭がいいから、世の中には打算的な感情しかない事を知っているんだ。

 「被害妄想じゃないですかそれ……?」

 「そうだったらどんなに幸せだったか」

 ハルカちゃんはそう言うとごろんと横になって寝てしまいました。
 不貞寝した彼女を起こしても気分を悪くするだけなので、私は黙ってこの部屋から出て行きます。
 はぁ……なんか嫌な感じ。





 「あーあ。私も家に帰りたくなったなぁ」

 まあ私の本当の家は、米軍のミサイルでしっちゃかめっちゃかになってるんですけど、
 でもやっぱりあそこに帰りたいです。
 また前みたいに、家族みんなでバカみたいな日常を送りたいです。

 「……っていうかすっかり忘れてたけど、お母さんたちどうしてるんだろ」

 さすがに心配になってきましたね。
 みんなもこの世界に来ていたらいいんですけど……
 もし、アメリカ軍の連中に捕まってたら……。

 「よし! 助けに行きましょう!!」

 私は、この世界に来る原因となった穴へ行ってみる事にしました。
 ……行動に移すのが遅すぎるとか言わないでください。





 「さーて、みなさん待っててくださいよ!!
  この私が、助けに行きますからねー!!」

 意気揚々とタイムワープの穴へと向かう私。
 確か私の記憶によるとアウグムビッシュム族の村から1時間程度歩いた場所にあったはずです。
 結構遠いですけど、なんとか頑張りましょう。

 「……あれ? 誰だろ、あの人」

 私の進行方向の先に、一人の少女が居ます。
 彼女は私に向かって歩いてきます。
 ……それにしても珍しいですね。こんな所に女の子が歩いてるなんて。
 まあ自分もですけども。

 「あの〜、どうしたんですかお嬢さん? こんな所を1人で歩いて?」

 「……」

 「も、もしもし……?」

 何故か私に話しかけられても黙ったままの少女。
 言葉が通じないのかと思いましたけども、考えてみれば今まで全然言葉で困った事無いんで、
 それは無いはずです。
 じゃあ一体……?

 「ふふ……」

 「ど、どうかしましたか?」

 「うふふふふふふふふ……」

 「うっ……」

 急に笑い出す少女。
 不気味な事この上なしです。
 関わらない方が良かったんでしょうか。

 「ふふふふふはははははははっ!! 引っかかったな!!」

 「え? え? 何が!?」

 「私はこんな姿だがなぁ……本当の正体は大妖怪なのだっ!!」

 「あー! 確かに居たね、そういうキャラ!!」

 すっかり忘れてましたけど。

 「あれ……お前と会った事あったっけ?」

 「何言ってるんですか大妖怪。
  旅館の庭に封印されてた頃からの付き合いじゃないですか」

 「……何のこと言ってるんだ?」

 あれ……?
 もしかして同じ妖怪さんでも、別の個体だったんでしょうか。
 人違いならぬ妖怪違いですか。


 「まあ別にどうでもいいです。それじゃあ妖怪さん。
  さようなら」

 「ええさようなら……って、そういうわけにいくかぁ!!」

 「うわぁあぁ!!??」

 軽めのノリツッコミと共に、本当の正体を明らかにする少女。
 その姿はトゲがいっぱい生えてて、恐ろしくでかい化け物でした。
 なんでこんな奴に私は出会ってしまうんですか。

 「ふはははははっ!! まずはお前を食べて腹ごしらえをして、アウグムビッシュム族へと攻め込んでやる!!」

 「なっ、なんですって!? あなた、アウグムビッシュム族の村に向かってたんですか!?」

 「もちろんさ!! なんて言ったって俺は、あいつらを殺すために生まれたんだからな!!」

 えらく哀しい生まれた理由ですね……。

 「こ、ここから先にはいかせませんよ!!
  あそこには、ハルカちゃんやアミカさんたちが居るんです!!
  殺させやしません!!」

 「ふふふ……お前に私を止められるのか?」

 「これでも一応空舞破天流を習っているんです!!
  舐めないでください!!」

 私は構え、大妖怪を睨みつけます。
 気迫をめいいっぱいトッピングしてあるにも関わらず、妖怪は怖がる様子すら見せません。
 すっごく腹立つ。

 「くらえ!! 私の空舞破天流の拳!!」

 私は渾身の一撃を、大妖怪に撃ちこむ為に走り出しました。

 「うおおおお!! BREAK・break・DEATH・DANCE!!!!」






 妖怪の反撃

 →でこぴん 消費SP1

  げんこつ 消費SP2

  ひらあやまり 消費SP3





 「でこぴん」

 「ぎゃー」

 私は大妖怪の反撃で倒されてしまいました。
 ……いやね、私なりに頑張ったんですよ。
 確かに妖怪の進行は止められなかったんですけど、それでも精一杯やったんですよ。
 だからね、このまま気絶させてください。




 ごふっ(気絶)











過去の日記