2月18日 日曜日 「人間国宝の技」
「おおそうじゃ! 思い出したぞ!!」
「ええ……? いきなりなんですかおじいさん。とうとう気が触れてしまったのですか?」
「わしが何の人間国宝か思い出したぞ!!」
「別に、大して興味ないよ」
私たちはこの銀行の地下金庫に閉じ込められてしまいました。どうにかしてここから出ないといけないのですが、
なぜかこんな場所で人間国宝だと自称しているおじいさんと出会ってしまいました。
なんだか意表を付くような出会いですね。
というか意味が分からないよ。
「私の力さえあればこんな扉など一撃じゃぞ!!」
「はいはいおじいさん。そういきり立たないの」
「お前、本気にしてないな?」
「まああまり……。おじいさんが金庫破りの人間国宝だったりしなければ」
そんな人間国宝なんて、大切にされたりしないと思うけど、
「ふっふっふっふ……聞いて驚くなよ? わしはな、なんと刀鍛冶の人間国宝なのじゃ!!」
「へぇー。そりゃあすごい。確かに誇るべき伝統技術かもしれませんね。
しかし、それがいったいどうしたのいうのですか。どうしておじいさんにならこの扉が開けられるというのですか」
「わからん奴じゃなぁ……。だからわしが今ここで世界一の剣を作ってやるから、それでこの扉をぶった切ってやればいいのじゃ!!」
「ちょっ、ちょっと!! 本当にボケちゃったの!? こんな場所で、どうやって剣なんて作るのさ!!
材料は? 道具は? あるわけないでしょう!?
それに例え剣を作ったとしてもね、そんなものでこの暑さ数十センチの鋼鉄の扉を叩き斬る事なんて出来るわけないじゃないか!!」
「大丈夫じゃ! わしの剣は全てをたやすく断ち切るわ!! それこそ、『どこからでも切れます』と表記されたしょうゆ袋のようにな!!」
「むしろ斬りにくい物の部類じゃねえかそれは」
「それに、道具など無くても県など作れるわ!! こう、腕の力で圧縮してだな……」
「そんな豪快な刀鍛冶があってたまるか!!」
「お。おぬし、ちょうど良い鉄を持っているじゃないか。それを寄越しなさい。わしが剣に鍛えてしんぜよう」
「ちょっと、私の話を聞きなさいよ!!」
暴走おじいちゃんは、逃がし屋さんが持っていたおたま……そう、私があげた、あの伝説のおたまとやらを持っていってしまいました。
本当に当てになるのでしょうかあの人は……?
小説とか 途中経過
連載中『黄昏の花園と百合の妖精と』最新話の完成度
プロット
0%
完成文章
0%
あと一話ほどで話がまとまりを見せるので、漫画の作業とどちらを優先するべきか迷っています。
サスペンス小説前編
後編(3/17更新 いちおう完結)
後編は嫌な感じの性的描写と、暴力的描写、そして同性愛的描写のオンパレードですので、苦手な方は注意してください。
魔術師の弟子(仮称) 序章
第一章『焔ノ眼』(4/17更新 完結)
第二章『サイン』
(1/8更新 未完)
本当に少しずつ更新していく予定。
一応ライトノベルっぽさを目指しています。
キャラ説明用の絵
(4/27 女神さんの絵を追加)
過去の日記